<ヤクルト2-6広島>◇11日◇神宮

 広島新人の上本崇司内野手(23=明大)が、プロ初安打で決勝点をたたき出した。スタメン起用に応え、通算18打席目で初の快打。それが初タイムリー、初打点となり、先制、決勝点になった。打線の起爆剤にと抜てきした野村監督の期待にたがわぬ活躍。クライマックス・シリーズ(CS)進出へ、また1人、イキのいい若い力が加わった。

 必死で球に食らいついた。2回2死一、二塁。フルカウントからヤクルト石川のチェンジアップを、詰まりながらも中前に落とした。通算18打席目のプロ初安打は、貴重な先制タイムリー。同時に初打点、決勝打にもなった。上本は「バットの先だったけど、飛んだところがよかった。大竹さんを楽にしたかった。(初安打は)うれしかったです」と控えめに喜んだ。阪神に在籍する兄の博紀は、プロ3打席目で初安打。兄より時間がかかったが、CS争い真っ最中に先発起用され、見事に期待に応えた。

 明大時代にも経験のない三塁でのスタメンは、この日朝に伝えられた。19試合で3度目の先発。ヤクルトが左腕石川だったこともあるが、野村監督は「起爆剤として使ってみようと、打撃コーチとも話して決めた。起用した選手が打つと打線に弾みがつく。粘ってのタイムリーはよかった」とたたえた。守備でも4回に、飯原の高いバウンドのゴロを素早くさばいて一塁で刺し、勝利に貢献した。

 プロ入り後、投手に力負けせず対応できるよう、打撃フォームを修正した。トップを作る位置を高くし、890グラムから910グラムのバットに替え、ヘッドの効くタイプにした。新井打撃コーチから「ヘッドを使って打て」と指導され、取り組んできたことが結果になって表れた。

 指揮官は「昨年のイメージを払拭(ふっしょく)しないといけない」と、9月に大失速してCSを逃した昨季と同じ轍(てつ)を踏むつもりはない。上本ら若い力で、しびれる秋を実りの秋に変える。【高垣誠】