<ヤクルト2-3阪神>◇13日◇神宮
ヒットパレードが鳴りやまない。阪神西岡剛内野手(29)が2試合連続3安打を放ち、打線を活性化した。中前打、三塁打、二塁打と1発が出ればサイクル安打だった9回は惜しくも三振。それでも、バレンティンのアーチが注目される中、西岡らしい地上戦の安打量産でかき回した効果が白星につながった。クライマックスシリーズへ、停滞している場合じゃない。前進あるのみだ。
二塁ベース上、西岡が三塁ベンチ方向に右手を上げる。その闘志むき出しの表情には、ナインの心を鼓舞する力がある。取られたら、すぐさま取り返す。4連敗中の虎に停滞ムードを許さなかった。
西岡
チャンスを作るのが僕の仕事。1番としての仕事ができて良かった。
1点差を追いつかれた直後の5回1死。フルカウントから八木が投じた6球目、外角139キロ直球を右中間に運ぶ。右翼武内のジャンピングキャッチが届かないと見るや、迷わず二塁ベースを蹴った。三塁打で流れを引き寄せ、4番鳥谷の右前適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。
再び同点とされた直後の7回、今度は後続に最高の好機をつくった。無死一塁から左翼線に飛球を弾ませる。二塁打で無死二、三塁に場面を変え、3番新井の中犠飛を呼び込んだ。2度目の勝ち越し劇も、主役は西岡だった。
失敗を恐れない。失敗しても下を向かない。その姿勢が勢いを呼ぶ。初回、積極性が裏目に出た。まずは先頭で中前打を放つ。2番俊介が送りバントを決められず最後は中飛に倒れると、勝負に出た。1死一塁で3番新井の場面。1ボール1ストライクからの3球目、今季10盗塁目となる二盗に成功し、俊介のミスを帳消しにする。ここで満足しないのが西岡だ。
1死二塁。5球目が投じられる直前、左腕八木の視線がホームを向いた瞬間、スタートを切った。捕手相川に動きを察知され、八木はそのまま三塁送球。タッチアウトで三盗失敗という形になり、先制の好機を消し去ってしまった。気持ちが沈んでもおかしくないプレー。冷静に状況と流れを分析していたから、反省はしても納得できた。
西岡
初回だし、思い切っていい場面だったと思う。アウトになったことは反省しますけど、そういう気持ちをね…。
前のめりに倒れたから、ポジティブな結果につながったのだろう。サイクル安打には本塁打1本足りなかったが、2戦連続の猛打賞、4戦連続2安打以上と上昇気流に乗っている。
西岡
明日、勝つことが大事。
5連敗を阻止しただけで、一息つく暇はない。目の前の敵を倒していく。西岡の心にブレはない。【佐井陽介】



