<ロッテ6-0楽天>◇27日◇QVCマリン

 仏の監督も、この日だけだ。球団初優勝から一夜明けた楽天は、ロッテに完敗した。若手中心メンバーで臨んだが、攻守に振るわなかった。打線は、散発5安打にバント失敗もあり無得点。守備では、外野フライを2つ落球(1つは右ゴロ)するなど2失策。試合後、星野仙一監督(66)のカミナリが落ちることはなかったが、次は、そうはいかない。

 試合後、星野監督は苦笑いを浮かべながら口を開いた。「考えられん。外野フライを2つ、落として」。1つ目は、4回1死一、三塁。ロッテ鈴木の右翼への飛球を岡島がグラブに当てた後に落とした。拾って、すぐに二塁に送球し一塁走者を封殺したため、失策は付かず右ゴロ。だが、その間に三塁走者が生還し、先制の失点を許した。2つ目は、6回先頭。清田の中堅への飛球を榎本が落球した。一塁銀次の本塁悪送球もあり、この回4失点。勝負を決められた。

 風が強かったわけでもない。どちらも、イージーミスだった。優勝から一夜明けの試合。星野監督は「ビールが目に染みたんだろう」と笑わせた。前夜のビールかけの後、テレビ出演などが午前3時ごろまで続いた選手もいた。そのことを言い訳にする選手はいなかったが、星野監督らしくユーモアを交えた。

 しかし、そう済ますのも、この1試合限りだ。若手中心メンバーだっただけに「(結果を出させる)そのために使っている。これから使えなくなる」と嘆いた。さらに口元の笑みを消し「まあ、今日はビールが染みたとしても、次からは許さない」と宣言した。今日28日は移動日で、練習は先発投手のみ。この日まで続いた7連戦の疲れを癒やす。星野監督は「あさって(29日)から切り替えて、勝ちに行く」と締めた。日本一になり、再びビールかけをする日まで、仏から鬼の監督に戻る。【古川真弥】