<セCSファイナルステージ:巨人3-2広島>◇第1戦◇16日◇東京ドーム

 その瞬間、広島ファンの歓声が悲鳴に変わった。1点を追う9回2死一、二塁。この日3安打の2番菊池の打球は巨人の遊撃坂本への内野安打。満塁で3番キラ…と誰もが思ったが、二塁走者の代走赤松真人外野手(31)が、三塁をオーバーラン。慌てて戻ったが間に合わず、タッチアウトでゲームセットとなった。コイ党のため息とともに、広島のCSファイナル初戦は終わった。

 三塁コーチの永田利則外野守備走塁コーチ(52)は「ストップと指示したが、見えなかったのならオレのせい」と話した。赤松は「2死で2ストライク。スイングしたらゴーですし、打球が抜けたらホームへかえらないといけない。(行くか止まるか)判断が難しい場面でした」と、結果的に憤死となり肩を落とした。

 野村謙二郎監督(47)は「最後粘ったのはよかった」と振り返ったが「もっと大胆に行ってほしい」と選手に注文した。先発大竹は6回に併殺打で2死をとった直後に、坂本に同点被弾。7回の横山は1死から2四球に2安打で決勝点を奪われた。打線も2回に敵失で2点をもらっただけで、山口ら巨人の強力救援陣を打ち崩すことはできなかった。

 初戦を落とし、アドバンテージの1勝と合わせ、白星2つの先行を許した。公式戦でも8勝14敗2分けという巨人相手に苦しい状況だが、指揮官は揺るがない。「明日は(打線を)変えると思う。勇気のある、振り切れる人を使いたい」と言い切った。借金「3」からのCSファイナル。挑戦者は失うものなどない。エース前田健を立て、再び巨人に全力でぶつかる。【高垣誠】