三塁挑戦中の日本ハム中田翔内野手(24)に思わぬ敵が現れた。沖縄・国頭での秋季キャンプ第1クール最終日の2日、三塁守備には欠かせない、男性の急所を守るファウルカップの装着に違和感を覚えていることを明かした。通称・金カップと呼ばれる大事な装具は、入団1年目の時も苦手にしていた。この日も、守備練習中に右手で何度も股間(こかん)のあたりをゴソゴソ。再コンバート成功へ、三塁手の必需品への対応が迫られそうだ。

 ゴソゴソ、ゴソゴソ…。中田の右手は何度も下半身へ伸びた。ノックで三塁を守っていても、自身の“バット”が気になって、どこか集中できていない。理由は「チンカップや」。強打が襲う三塁手は、男性の急所を守るため股間(こかん)付近にファウルカップを装着する。外野挑戦前の09年以来となる使用に違和感たっぷり。通称で金カップと呼ばれる装具を「チンカップ」と吐き捨てるように言うほど、悩まされていた。

 新人時代も、苦戦した珍敵だ。プロ入り前は外野手や投手だったため、金カップには無縁。それでも、1年目は三塁に挑戦することが決まると「つけたことないんですよ」と不安を感じながら、自らのシンボルを守るために装着。三塁守備とともに体になじませていった経験がある。

 再挑戦も苦難のスタートになった。動きにも影響が出てくるため「邪魔や」とひと言。10年から本格的に外野に挑戦したことで、下半身は素の状態に戻っていた。避けては通れない違和感との戦い。この日も特守を行うなど、三塁挑戦は順調だが、一方で最後まで右手は金カップの適度なポジションを探し続けた。

 中田の下半身問題は、明日5日に一時封印される。外野手として参加する侍ジャパンの台湾遠征に備え、チームを離れるからだ。しかし、「チンカップ」との戦いが、三塁コンバート成功のカギを握る。【木下大輔】