ソフトバンク五十嵐亮太投手(34)が8日、秋山監督直伝の「丹田(たんでん)投法」を試し、手応えをつかんだ。前日7日に秋山監督から下半身や体幹の使い方を直接指導され、この日さっそく5日ぶりにブルペンへ入りして試した。

 意識したのはへその下。丹田と呼ばれる部分への力の入れ方だ。さらに、セットポジション時の目線位置までアドバイスを受け、実践した。「昨日は価値のある時間でした。下半身主導で力みなく楽に投げられた。試合では難しいかもしれないが、肩や肘の故障は少なくなる」と笑顔だった。

 移籍1年目の今季は51試合に登板。終盤には抑えを務め51試合で3勝3敗12セーブ、11ホールドの成績を残した。五十嵐のフォームは上半身主導の力投型。来季35歳を迎えることもあり、秋山投法をマスターすれば故障せずに年間守護神として活躍できる。好感触を伝え聞いた秋山監督は「本当?」とうれしそうに驚いた。

 この日は終了後、メーン球場での野手の打撃練習を凝視し、藤井打撃コーチにも体の使い方を質問。現在は再びフォークに磨きをかけている。14日西武との練習試合にも「春は結果が必要だけど今はボロボロになってもいい」と登板を志願。五十嵐の貪欲な秋は大きな収穫をもたらしそうだ。【石橋隆雄】

 ◆丹田(たんでん)

 へそのすぐ下あたり。エネルギーが集中する場所とされる。気功や呼吸方法などで用いられる。三丹田という場合は頭の眉間奥を上丹田、胸の中央を中丹田、へそ下の部分を下丹田というが一般的に「丹田」というと下半身の部分を指す。