阪神が誠意で実力派バッテリー獲得へ動く。12日は兵庫・西宮市内の球団事務所で南球団社長や高野球団本部長、中村GMらが出席して編成会議を開いた。久保のFA宣言などが報告される中、FA表明した日本ハム鶴岡慎也捕手(32)と中日中田賢一投手(31)の獲得に乗り出すことを確認。鶴岡には「3年契約」も用意し、即アタックで“愛”を伝える意気込みだ。

 捕手補強のため、当初はソフトバンク山崎にも興味を示していた。最終的に鶴岡に一本化。ダルビッシュの専属女房役だった経験と選手会長の人望、昨季ベストナインの実力を高く評価する。球団首脳は「誠意を尽くすしかない。他球団に負けない条件を用意したい」と長期契約を視野に入れた。ライバルであるソフトバンクは、FA加入者の多くに3~4年契約を用意することを意識している。

 タカ軍団と競うのは、鶴岡だけじゃない。中田賢は北九州生まれで、ソフトバンク入りが有力視されている。それでもこの日、阪神は先発の一角を期待していた久保がFA宣言して退団の可能性が高まった。メッセンジャーは残留濃厚だが、スタンリッジの去就は流動的。先発陣、特に右腕の補強は急務で、球団幹部は「真っ先に気持ちを伝えたい」と交渉解禁すれば、一番乗りでテーブルにつくことを目指している。