中日吉見一起投手(29)が渡り鳥になる。6月に右肘を手術したエース右腕が、12月中旬から単身、米国カリフォルニア州に渡り、リハビリを行う。2週間の日程を予定しており、年明けには昨年同様に沖縄で自主トレを行う。肘の負担が少ない温暖な地から温暖な地へ…。渡り鳥のように飛び回る。

 「いろいろ考えていたんですが、行くことに決めました。暖かいところでしっかりやろうと思います」

 今月6日の契約交渉では40%ダウンとなる1億7400万円でサインした。落合GMから「6月からでも2ケタ勝つのは簡単」とハッパをかけられた。来年3月の開幕戦には間に合わなくても、1年間のトータルで貢献することはできる。その出発点がカリフォルニアだ。

 同地の12月平均気温は約20度。名古屋に比べると10度近く暖かく、湿度も低い。トレーニング施設もありリハビリするためには最高の環境だ。しかも、米国では吉見が受けた靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)は一般的。専門家からアドバイスを受けられるという大きなメリットがある。

 ナゴヤ球場の秋季キャンプに参加している吉見はすでにキャッチボールを開始。リハビリは順調に進んでいる。6月からの2桁勝利へ-。復活の道がはっきりと描かれた。【桝井聡】