広島ドラフト2位指名の亜大・九里亜蓮投手(22=岡山理大付)が6日、岡山市内のホテルで契約交渉を行い、契約金7500万円、年俸1200万円、背番号12で仮契約を結んだ。実は各業界から引く手あまただったという右腕はスターの素質にあふれていた。

 「原宿を歩いていた時に声をかけられたことはあります。モデルに芸能事務所、ホスト、AV男優のスカウトまでありましたよ…」

 苦笑いしても、カープ女子の心をわしづかみしそうなルックスが光る。米国人の父、日本人の母を持ち、186センチ、90キロの肉体があれば、周囲がほっておかない。妹で東京都内の大学に通う聖莉奈さん(19)は現役モデル。それでも兄は「自分には野球しかないので」とブレなかった。

 11月22日から前日5日まで母校・岡山理大付で教育実習に励み、後輩たちを相手に打撃投手などで体を作ってきた。甘い!?

 誘いに惑わされず、コツコツ努力を積み重ねている。

 「(広島)前田さんやソフトバンク摂津さん、中日吉見さん。勝てる、ゲームを作れる投手が目標です」

 11月の神宮大会では4日間で全3試合に先発し、計18回1/3を1失点でチームを日本一に導いた。華やかな外見、経歴に浮かれることなく、地に足をつけて生き抜いていく。【佐井陽介】

 ◆九里亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日、米フロリダ州出身。父マーク・アントニオ・シェックさんはブレーブス傘下3Aチームでも活躍。幼少期に海外を転々とし、日本移住後、岡山理大付で3年春から背番号1。亜大では4年春から東都リーグ戦11連勝。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。