日本ハムの先発、中継ぎの両面で戦力となると期待されているのが、マイケル・クロッタ投手(29=ナショナルズ傘下3A)だ。周囲からの進言などもあり、かねて日本球界でプレーすることにあこがれを抱いていた。悲願が実現することになった今季が、野球人生の再スタートライン。骨をうずめるつもりの強い覚悟で来日し、野球人生をかけてチーム貢献を誓った。

 胸の高鳴りは増すばかりだ。今季中継ぎで期待されるのが身長2メートル1センチの大型右腕クロッタ。かねて日本球界入りは大きな目標だった。きっかけになった人物がいる。09年から1年間、パイレーツのマイナーでともにプレーしたジェレミー・パウエル氏(37)だ。

 クロッタ

 日本で長い間活躍していたパウエルとチームメートになった時、日本の文化や野球環境の素晴らしいところをいろいろ聞かせてもらった。日本でプレーしたいと思っていた。

 パウエル氏は巨人や近鉄など日本の4球団で通算69勝と活躍した右腕。日本で成功を収めていた右腕の言葉が後押しになっていた。もう1人、日本ハムとの縁を感じる人物がいた。昨季途中で加入し退団したジャスティン・トーマス投手(29)からも勧められていた球団だった。

 クロッタ

 最近では友人のトーマスから球団の素晴らしさを教えてもらった。

 日本人大リーガーの存在も刺激になっていた。10年にパ軍傘下3A在籍時にヤクルト岩村明憲内野手(34)が加入。ともにプレーしたのは1年間だけだったが、日本人選手の姿は強く心に焼き付いていた。

 クロッタ

 彼のプロ意識と一生懸命な姿勢に驚かされた。私の日本人の印象は、常に一生懸命で基礎がしっかりしている。

 今季はナ軍3Aで救援としてフル回転。51試合4セーブをマークした。11年にメジャーで15試合に登板したが再昇格の夢かなわず、新天地を日本ハムに求めた。シンカーなど変化球でゴロを打たせるスタイルが生きると確信している。

 クロッタ

 昨季の試合をいくつか見たが、守備陣はとても心強い印象。安心してバックを信頼して投げられると思う。今季はまた優勝争いに加われると思ってる。

 現在は週6日、例年のオフのメニューに取り組んでいる。早くチームにとけ込めるように日本語も勉強中。日本ハムファンの熱を早くも実感している。

 クロッタ

 私の入団が発表された瞬間からツイッターにファンのフォロワーがぐんと増えて、とても温かい歓迎の言葉をもらった。

 希望と興奮に満ちた新天地1年目へ、はやる気持ちは抑えられない。

 クロッタ

 生涯ファイターズとしてプレーできるよう、ひたむきに頑張ります。今から今季が待ち遠しいよ。私の野球人生の中で今季ほど楽しみな年は、いまだかつてない。【取材・構成

 田中彩友美】

 ◆マイケル・クロッタ

 1984年9月25日、米フロリダ州生まれ。06年にアトランティック大からドラフト17巡目でパイレーツに入団。11年に中継ぎとしてメジャー初昇格。13年はナショナルズへ移籍して3Aで51試合に登板。6勝7敗4セーブ、防御率3・57だった。メジャー経験は11年のみで通算15試合登板で0勝1敗、防御率9・28。家族はアシュリー夫人(29)、長男ブレイデンくん(3)。201センチ、107キロ。右投げ右打ち。