大凶は吉兆!

 広島のルーキー5選手が10日、広島・廿日市市内の大野練習場で新人合同自主トレをスタート。ドラフト2位九里亜蓮投手(22=亜大)は練習後、人生初のおみくじで大凶を引き当てていたことを明かした。初めて初詣に出向いた大阪市内の住吉大社でまさかの結果。それでも「あとは上がるだけ」と満面の笑みで宣言し、超ポジティブにプロ生活を本格スタートさせた。

 悲愴(ひそう)感はない。むしろ、心底うれしそうだ。新人合同自主トレ初日のメニューを終えた直後。九里はニヤリと笑って、ショッキングな“初体験”を明かした。

 「初詣、行ってきましたよ。人生初のおみじくは…、大凶でした!

 うれしかったですね」

 父は米国人。九里自身も小学生時代まで米国で生まれ育ったこともあり、昨年まで初詣には1度も縁がなかった。今年は幼なじみに連れられ、大阪市内の住吉大社で22歳にして初めて初詣。「朝起きた時、大凶が出る気がすると友達に言ったんです」。新年早々、不運に見舞われたが、何故か満面の笑みだ。

 「大凶は大吉よりも出る確率が低いらしいですよ。中途半端な結果は嫌だったので。落ちるところまで落ちたら、あとは上がるだけですから!」

 当日は大勢の客が訪れる中、夕方5時ごろに勝負をかけた。住吉大社の関係者からは「今日はあなたが初めての大凶です」と伝えられたと言う。以前から「中吉とか小吉が出たら盛り上がらない」と危ぶんでいたイケメンは、珍しい結末を迷わず吉兆だと受け取った。

 おみくじ効果にも後押しされ!!

 合同トレ初日からエンジン全開。大野練習場外周を走る3キロ走では先頭を突っ走り、最後はドラフト1位大瀬良と競り合いながらゴールイン。「そんなに飛ばしていません。普通です」と余裕の表情だ。

 すでに4日の自主トレ公開時にブルペン投球を披露しているが「キャンプ前にガンガン投げることは考えていない。1月中は肩を作りたい」と冷静さも光る。大瀬良とともに1軍キャンプから開幕ローテ入りを期待される右腕。いつか逆境に立たされた時も、ポジティブ思考で道を開いてくれそうだ。【佐井陽介】

 ◆九里亜蓮(くり・あれん)1991年(平3)9月1日、米フロリダ州生まれ。父マーク・アントニオ・シェックさんはブレーブス傘下3Aでも活躍。幼少期に海外を転々とし、日本移住後、岡山理大付。亜大では4年春から東都リーグ戦11連勝。昨秋の明治神宮大会で優勝に貢献。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。背番号12。