【マイアミ(米フロリダ州)15日(日本時間16日)=佐藤直子通信員】妻への監禁と暴行の疑いで米捜査当局に逮捕されたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、2月1日の春季キャンプ(沖縄・浦添)に間に合わない見通しとなった。この日、フロリダ州マイアミ市内の裁判所に出廷し、5万ドル(約525万円)の保釈金支払いと妻への接触制限を条件に保釈された。だが24日(同25日)に再び裁判所への出廷を求められたため、衣笠剛球団社長(64)はビザ申請などの事務手続き期間も考慮し、キャンプ初日の合流は厳しいとの見解を示した。今日16日(同17日)にバレンティン本人が記者会見を開く。

 ヤクルトは絶対的4番打者不在で、春季キャンプをスタートさせることになりそうだ。外国人6選手は日本時間28日までに来日し、同30日のチーム便で沖縄入りの予定だが、24日(同25日)に再び出廷を求められた。衣笠社長は「それからビザを申請して取得してとなれば、30日の(沖縄行きの)飛行機に乗るのは難しい。時間的にも物理的にも27日(同28日の来日)は不可能。1週間遅れとかでぜひ来日してほしいという強い希望を持っている」と覚悟した。

 この日の保釈を決める審理で、バレンティン容疑者の弁護団は予定通り春季キャンプに参加できるよう、日本での実績をアピールした。容疑者として海外渡航が制限される可能性があるが、パスポートを裁判所が管理せず、弁護士が管理することを主張し、認められた。

 渦中の同容疑者は疲労困憊(こんぱい)の様子だった。午後8時。マイアミ市内の拘置所の扉が重い音を立てて開くと、オレンジ色のポロシャツを着て姿を現した。待ち受けた報道陣を避けるように歩く。約5分後、ようやく関係者の車を見つけると「トゥモロー(明日話す)」とだけ言い、自宅に戻った。16日(同17日)に記者会見を行う。

 緊急渡米し、保釈後にマイアミに到着した奥村編成部国際担当次長は「出られたからいいというわけではない」と話し、電話で本人から事情を確認した。報告を受けた衣笠社長は「我々としてもぜひ日本に来てもらって、プレーを通じて日本の皆様方に謝罪を含めた形でアピールしていくことができれば」と語った。

 球団としての処分は現段階では検討されていない。今後は起訴されるかどうかが最大の焦点。万が一、話し合いで解決できず、法廷闘争となれば長期化は避けられない。会見でのバレンティンの発言が注目される。