中日森繁和ヘッドコーチ(59)が16日、新人3投手の1軍キャンプスタートを明言した。白いベンチコートを着込み、ナゴヤ球場で行われた選手会の合同自主トレを午前10時から視察。約4時間も選手の動きをチェックした名参謀は「高校生は(1軍に)連れて行かない。社会人はトレーニングコーチがストップをかけなければ連れていく。野手は分からない」と考えを明かした。

 「社会人」とは、独立リーグ出身のドラフト2位の又吉克樹投手(23=四国IL・香川)。そして社会人チームから指名された4位阿知羅拓馬投手(21=JR東日本)、5位祖父江大輔投手(26=トヨタ自動車)。体作りをテーマに掲げる高卒投手とは段階が違うという判断だ。3投手はキャンプ初日から谷繁兼任監督、森ヘッドら首脳陣の厳しい目にさらされる。

 椅子はある。森ヘッドは冗談っぽく「うちはピッチャーがいませんから」とも話した。今季はエース吉見が右肘手術の影響で開幕に間に合わない。投手部門の台所事情は、いつになく苦しい。キャンプで「使える」と判断されれば、生き残るチャンスはある。

 ドラフト1位鈴木翔太投手(18=聖隷クリストファー)は2軍キャンプの見込みだが、“1日体験”で1軍に参加する予定。森ヘッドは「野手は(1軍に)20人くらい必要じゃないかな。投手も20人くらい」と見通しを語った。今日17日には落合GM、谷繁兼任監督を交えたスタッフ会議が行われ、正式に決定する。【桝井聡】

 ◆中日の投手事情

 絶対的エース吉見の出遅れは確実。昨季チームでただ1人の2桁勝利を挙げた大野や来日2年目のカブレラが先発の柱となれるか。昨季中継ぎとしてブレークした岡田や武藤が先発に転向予定。先発、中継ぎともに不確定な要素が多い。昨季40試合に登板し、ソフトバンクにFA移籍した中田賢の穴もある。