秘密兵器になるぜ!

 阪神のドラフト6位岩崎優投手(22=国士舘大)が19日、鳴尾浜球場でルーキー一番乗りでブルペン入り。東都大学2部リーグ出身の隠れた逸材が披露した独特の投球フォームに、山口投手コーチら首脳陣はロッテのエース左腕成瀬似と評価した。

 足を上げてからゆっくり時間をかけ、足をおろす投球フォーム。岩崎はセットポジションから、立って構えるドラフト4位梅野を相手に直球を30球投げ込んだ。昨年10月下旬以来のブルペンに「納得いかない部分が多かったのでこれからしっかりやっていきたい」。だが、特徴ある体の使い方に可能性を見いだしていた。山口投手コーチが「成瀬タイプちゃうかな。あのゆったり感をどれだけ躍動感あるものにしていくか。(あの投げ方は)教えられてできるもんじゃない」と言えば、平田2軍監督も「(似ているのは)成瀬かな。下でグーッと粘って投げる感じ。鍛えていけば面白い」と口をそろえた。

 伝え聞いた岩崎は「初めてです」とクールな表情を少し緩めた。大学3年の秋から、足をあげたあとの“ゆったり感”を意識。同じ左腕の巨人杉内やヤクルト石川の投球を参考に打者近辺でのボールの強さを追求していた。

 セットポジションで投球を行った岩崎に山口投手コーチは「大きく育てるためにはワインドアップもこれから見てみて考える」と今後の育成プランも提案した。フォームのようにゆっくり着実に-。なせば成る。秘密兵器は1軍の舞台を目指す。【松本航】

 ◆岩崎優(いわざき・すぐる)1991年(平3)6月19日、静岡県生まれ。清水四中で軟式野球を始める。エースで4番だった清水東3年夏は静岡大会2回戦敗退。東都大学2部リーグの国士舘大では4年間で通算10勝8敗。ダルビッシュの握りを独学でまねたカーブなど変化球で勝負する技巧派。184センチ、81キロ。左投げ左打ち。背番号67。