ライアン投法導入!?

 阪神榎田大樹投手(27)が23日、兵庫・西宮市の鳴尾浜を今年初めて訪れ、自主トレを行った。キャッチボールを終えると、早速ブルペン入りし、立ち投げで60球。大リーグで活躍したノーラン・ライアン氏(元レンジャーズ)のような、胸近くまで膝を上げる投球フォームを披露した。

 昨年新人王を獲得したヤクルト小川で注目された「ライアン投法」。利き腕こそ違うが、この日の榎田は「左版ライアン」だった。1本足で力をためてもバランスが崩れない。きれいな1本足は最後まで続いた。

 「特に意識はしていません。でも足を上げることで間を作ることができればと思います。体のバランスがいいから高くなっていると思います」

 無意識だったというが、このオフの充実を物語っている。年明けは古巣東京ガスのグラウンドで、昨季日本シリーズMVPの楽天美馬とともに合同自主トレ。すでに80メートルの遠投も実施。左肘手術の影響で制限をかけて練習していた1年前との差は歴然だった。走り込みや体作り、遠投をみっちり行えたことでバランスも安定。その仕上がりの良さが、膝の高さに直結している。他の投手より高く膝が上がれば、それだけ打者もタイミングを取りづらくなる。

 「この状態をシーズンで維持できるようにしたい」

 若手を含めた先発サバイバルが、キャンプから本格化する。すがすがしい表情は自信の裏返し。「ライアン投法」が維持できた時、先発転向2年目が成功の1年となる。【松本航】