滑り込みセーフ!
米国で妻への監禁と暴行の疑いで逮捕され、保釈中のヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、2月1日の春季キャンプ(沖縄・浦添)初日に間に合うことになった。24日(日本時間同深夜)にフロリダ州マイアミ市の裁判所に出廷し、日本への渡航許可が認められた。衣笠剛球団社長(65)は都内の球団事務所で25日、極秘裏に同外野手のビザを申請し23日に取得していたことを明かし、今月中に来日できるとの見通しを示した。一方で、カルラ夫人(32)との離婚協議のため、シーズン中の5月に再渡米し、一時的にチームを離脱することも分かった。
「不可能」と思われていた2月1日のキャンプ参加が一転、「可能」になった。裁判所からバレンティンの日本への渡航が許可されたことを受けて、衣笠社長が休日返上で出社。報道陣に「まだビザは取得していないと申し上げておりましたが、すでに取得しております。弁護士の方からしばらくは伏せておいてくれとご指示がありました」と話し、水面下で申請の手続きを行い、23日に極秘取得していたことを告白。「日時は未定だが、遅くても31日には沖縄に入って、2月1日からキャンプで一緒に練習できる環境が整った」との見通しを語った。
バレンティンは12日(日本時間13日)に妻への監禁と暴行の疑いで米捜査当局に逮捕され、15日(同16日)に保釈された。次の審理は2月3日に行われる予定だが、衣笠社長は「弁護士が代わって行うことになっているので、日本に来て野球に専念できることになっている」と本人に出廷の必要がないと説明。キャンプ期間中の離脱はないとし、「あまり自主トレもしていないはずなので、早く体力的にも技術的にも通常のバレンティンを取り戻してほしい」とシーズン開幕に向け、腰を据えて調整を送ってほしいと願った。
それでも、シーズン中には離婚協議で一時的に日本を離れ、米国入りすることになった。衣笠社長は「5月6日に米国に出発して11日に帰ってくる。その中で2日間ほど出廷する」と明かした。最低でも、その間の6試合は欠場を余儀なくされることになり、主砲の離脱はマイナスとなる。
だが、逮捕の騒動発覚時に懸念された「入国できずに長期離脱」という最悪のシナリオは回避した。衣笠社長は「はっきり無罪が確定したわけではない。でも戦力的に大きなものをもっている。キャンプ始めから加われるのは喜んでいます。(本人の様子は)具体的には伝わってきてないが、喜んでいるのは事実だろう」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
その一方で「来日した翌日に、彼からファンの皆さんにお騒がせしたおわびを伝えさせていただければと思います」と、キャンプ前に謝罪の場を設ける考えを示した。世間を騒がせたバレンティン騒動がようやく、収束に向かった。【浜本卓也】<WBCで出遅れ>
◆昨年のヤクルト、バレ
1月末に来日し、キャンプには初日から参加。2月21日からオランダ代表としてWBCに参加するため、チームから離れた。WBCのキューバ戦で左内転筋を肉離れ。開幕には間に合わず、1軍での試合復帰はチーム13試合目の4月12日にずれ込んだ。昨年の出場試合数は130にとどまりながらも、シーズン新記録の60本塁打を放った。<ヤクルト、バレの事件経過>
◆逮捕
13日(米国時間12日)、米フロリダ州マイアミ近郊の夫人宅で、カルラ夫人への監禁・暴行容疑で逮捕。
◆発覚
14日(同13日)、事件が公になり、ヤクルト球団が会見を開いた。
◆渡米
15日(同14日)。バレンティンをスカウトした奥村編成部国際担当次長が緊急渡米。
◆保釈
16日(同15日)。5万ドル(約525万円)の保釈金支払いと妻への接触制限を条件に保釈。
◆会見
17日(同16日)。マイアミのホテルで謝罪会見。「出直しのチャンスを下さい」と深々と頭を下げた。
◆出廷
24日深夜(同24日)。マイアミの裁判所に出廷。日本への渡航が許可された。




