日本最速にチャレンジだ。ヤクルトの新外国人クリス・カーペンター投手(28=前レッドソックス3A)が26日、成田空港着の航空機で来日。13時間のフライトに少し疲労の色をみせたが、言葉は力強かった。日本球界の最速記録が162キロと聞くと、敏感に反応した。「ボクはパワーピッチャー。力で押すタイプ。できるかどうかは分からないけど、挑戦したい。皆さんに喜んでもらえるように頑張りたい」と意気込んだ。

 球団公式ホームページでは最速161キロと紹介されるが、「3年か4年前に101マイル(約162キロ)を出したと思う」と記憶している。いずれにしろ、08年にマーク・クルーン(当時巨人)が記録した162キロへの挑戦資格は十分にある。日本人最速161キロのチームメート由規は今季に復活を目指しており、お互いに刺激し合えば楽しみは倍増する。

 日本に来ることが決まり、例年より早めに調整を進めてきた。マウンドにこそ立っていないが、昨年10月からボールを投げ続けている。「肩もひじも調子はいい。いつも一番の選択をしてきたが、今回の日本もそう」と、日本での活躍を思い描いている。

 ケント州立大のコーチだったマイク・バークベック氏は95年から2年間、横浜(現DeNA)でプレーし完封で1勝を挙げた。「彼から日本のことは聞いている。(昨季レ軍で同僚の)コージ(上原)や田沢からもね。文化も野球もいい話ばかりだった」と言う。日本に早く溶け込めば、それだけ記録達成も早そうだ。【矢後洋一】

 ◆クリス・カーペンター

 1985年12月26日生まれ。米国フロリダ州出身。ケント州立大から08年ドラフト3巡目でカブス入団。11年大リーグデビュー。12年エプスタインGM移籍の補償でレッドソックスに移籍。大リーグ通算18試合1勝0敗、防御率5・17。05年サイ・ヤング賞右腕とは同姓同名の別人。190センチ、100キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸5000万円。