鶴の“捕り”ニケーション-。日本ハムからFA移籍したソフトバンク鶴岡慎也捕手(32)が26日、福岡市内の西戸崎合宿所で志願のブルペン捕手を行った。立ち投げながら千賀のフォークなどを70球しっかり受け止めた。激戦の正捕手争いを勝ち抜き、チームを優勝に導くために2月1日のキャンプイン直前まで様々な投手を受け予習を行うつもりだ。

 “転入生”の鶴岡が自分から千賀に歩み寄った。

 鶴岡

 (ブルペンで)投げるなら受けようか?

 この日、初めて訪れた西戸崎合宿所で、いきなり捕手役に立候補。昨年の球宴で話したことがあった20歳右腕に声をかけた。

 前日25日に101球を投げ、この日のブルペン入りを迷っていた千賀も「ありがたいですね」とマウンドへ。防具は着けずミットを構える鶴岡と千賀のボールを通した会話が始まった。千賀の直球がパーンと快音を鳴らす。「色気出して腕振っちゃいました」と乗せられた千賀は、落差のある得意のフォークを連投。あまりの落ち具合に最初はミットの先で何とか捕っていたが、そこは09年ゴールデングラブ捕手、数球捕るうちに軌道を理解した。

 「あのフォークはすごい!

 打席で見ても受けてみてもすごい。ちょっとでも予習しておいた方がいいんで」。カーブ、スライダーも交え立ち投げで70球を受けた。

 鹿児島・徳之島の後、沖縄・宮古島での自主トレでは前同僚の日本ハム吉川の直球を受けた。速い球には対応できるが、球の軌道やフォームなどは実際にそれぞれの投手を受けないと分からない。

 今季ソフトバンクには支配下35人、育成9人の44人の投手がいる。「知らない投手も多いので」と、キャンプ直前まで、さらに多くの投手の球を受ける考えを明かした。正捕手を争う細川、高谷、山下らにもあいさつし笑顔で迎えられた。鶴岡にとって実質ホークス1日目となったこの日、激しい正捕手争いのゴングが鳴った。【石橋隆雄】