ロッテ涌井秀章投手(27)が26日、本拠地デビューを果たした。QVCマリンのマウンドに上がると「去年より傾斜を感じるんだけど、どう?」と藤岡や益田にたずねた。返答は、そんな風にも感じるというものと、そうでもないというもの。だが、涌井の印象は「西武ドームはマウンドが低くて、マリンが高いのは分かっていたけど、去年より傾斜を強く感じたので良かった」。本拠地となったせいなのか、投げやすく感じられた。

 昨年までは、QVCのマウンドに、それほどいいイメージはなかった。特に強風が吹いた試合では、セットポジションの際、背中側から押される風に苦しめられた。「カーブやスライダーの変化が少なくなるし、失投が増えるんで…」。だが、この日のマウンドは、嫌なイメージを払拭(ふっしょく)できそうな好感触。風にも「うまく利用できれば。里崎さんにも聞いたりしたい」と味方につける考えだ。

 このマウンドで、もう1度先発として輝く。自主トレでは下半身中心のウエートトレーニングで土台を築いた。キャンプでも「第1クールからブルペンに入って投げ込みたい」と、先発完投の体力を再構築する予定。楽しみなのは古巣西武との対決だ。早ければ、4月1日の本拠地開幕戦で実現する。「当たるのが楽しみ。おかわりさん。いえ、おかわり君とね」。かつてのチームメートの先輩を冗談交じりに君付けで呼びなおし、宣戦布告した。【竹内智信】