日本ハム大谷翔平投手(19)の投打「二刀流」挑戦に、強力アシストとなる。春季キャンプ地の沖縄・名護の外野天然芝が、開場37年目で初めて、オーバーシードが採用されたことが28日、分かった。例年よりも緑が濃く、なによりクッション性があるため、選手の蓄積疲労軽減、けが防止につながる。先乗り合同自主トレに参加中の大谷はこの日、ブルペン入り前に、今自主トレで初めて外野ノックを受け、感触を確かめていた。

 オーバーシードとは、冬期に枯れてしまう従来の芝とは別の品種を上から植え付け、寒い時期にもコンディションを保てるという生育法。管理する市職員は「手間はかかりますし、毎年植えなければならず大変ですけど、いい状態で練習してもらえる」と説明する。中堅を守る陽岱鋼も「芝が格段によくなった」と喜んでいる。

 大谷はキャンプイン後も、この日のように、投手をこなしながら外野でも練習する。栗山監督はじめ首脳陣や本人が警戒しているのが、けがのこと。コンディションのいい設備は、その防止になる。「風のこともあるし、フライを受けたりしたい。(外野手としても)万全の準備をして、使ってもらえる状態にしたい」と話す大谷は、昨年よりも不安なく外野練習ができそうだ。

 フリー打撃では、右翼場外へ合同自主トレ初日(24日)同様の推定150メートル弾を放つなど、打球は外野天然芝をバウンドすることなくオーバーフェンス。「いい練習ができています。サイズが大きいというのも武器だし、長打を打てれば。いい当たりもあるけど、まだまだ精度が低いので、上げていければいいです」。高卒2年目19歳は、天然芝以上にスクスク育っている。【本間翼】