ロッテのアジャことルーキー井上晴哉内野手(24=日本生命)が1日、伊東監督から絶賛された。フリー打撃で63スイング中30本の安打性の当たりを放ち、3本の柵越えを記録すると「左と右の違いはあるけど松井秀喜に似ている。捕手が、見逃してくれたと思ったところにバットが出てくる感じ。打球の角度もいい」と最高の評価を受けた。

 中身は濃かった。中堅から右方向への安打性の打球が21本と7割を占めた。「社会人時代に調整法をつかんだんです。あっちの方向に、どれだけ強い打球がいくかなんです」。やろうとしたことができていた。だが、ゴジラ松井に例えられたことは、井上からすれば手放しでうれしいわけではなかった。アジャ・コングであることにプライドを持っているからだ。○○のゴジラなどと別の愛称がつけられかねない事態は避けなければならない。「それはまずいですよ」と顔を青ざめさせた。

 そんな心配をよそに、伊東監督は起用法についてまでイメージを膨らませた。「長打が魅力なので5番、6番が面白い。さらに確実性が上がれば4番も打てる。話題もあるし使っていきたい」。真価が問われるのはこれからだが、最初のチャンスは勝ち取ったようだ。【竹内智信】