開幕ローテ入りを目指す中日山本昌投手(48)が4日、キャンプ地・沖縄で試合に登板する計画を口にした。本来、キャンプ中の実戦は若手や新戦力のアピール舞台。球界最年長が2月に練習試合に登板する異例の「超速仕上げ」だ。エース吉見が故障離脱中で、大野、カブレラ、川上とともに狙うは史上最年長の開幕投手?

 新婚の48歳は気持ちも若かった。山本昌は自ら切り出した。

 「このキャンプ中に実戦登板したいね。2月20日過ぎくらいにバッターに投げたい。本当の試合にもそれくらいには出たい」

 若手が生き残りをかけて戦うサバイバルの2月実戦。そこにプロ31年目の大ベテランが登板するというのだ。

 キャンプ中に試合で投げることさえ極めて珍しい。昨季も3月3日広島とのオープン戦(ナゴヤドーム)が初登板。最近5年間は沖縄の練習試合やオープン戦で1球も投げていない。沖縄はあくまで1年間シーズンを戦うための基礎を築く場だった。キャンプ中盤に2軍で予定されている16日LG(韓国)20日DeNA、25日SK(韓国)の3試合のいずれかが今季初登板の舞台となりそうだ。

 今季は自身の調整に集中するため、2年ぶりに2軍からスタートする道を自ら選んだ。今日5日には、キャンプ初のブルペンに入り仕上がり具合をチェックする。「ブルペン入りは遅くなったけど、投げ込みは早いと思う。1200球くらいは投げるよ」。ハイペース仕上げで2月中旬の試合に照準を合わせる。

 すべては開幕ローテ入りを目指した「早仕掛け計画」だ。ただ、現在の投手事情を考えると、先発の駒不足は否めない。大野、カブレラが開幕投手争いの軸だが、02年以来5度目開幕投手の可能性もゼロではない。

 「チームにちゃんと貢献したい。ローテが目標って言うんなら10勝はしないといけない」

 オフには落合GMから「50歳現役」を確約された。それでも慢心はない。3月28日広島戦(ナゴヤドーム)。31年目のシーズン開幕、山本昌がマウンドにいても不思議ではない。【桝井聡】

 ◆40代開幕投手

 過去に4人5度だけ。山本昌が3月28日の広島戦(ナゴヤドーム)で務めると42歳7カ月の大野豊(広島)を抜いて日本新記録となる。メジャーではナックルボーラーの46歳ハフ(マーリンズ)がドジャース戦で開幕投手を務めた。山本昌は97、98、01、02年と4度経験。<40歳以上の開幕投手>

 大野豊(広島=42歳7カ月)98年4月3日

 中日戦(広島)

 若林忠志(阪神=41歳1カ月)49年4月2日

 大映戦(後楽園)

 大野豊(広島=40歳7カ月)96年4月5日

 中日戦(広島)

 佐藤義則(オリックス=40歳6カ月)95年4月1日

 ロッテ戦(GS神戸)

 村田兆治(ロッテ=40歳4カ月)90年4月8日

 オリックス(西宮)