どとうの5奪三振にオーナーもニンマリだ。広島一岡竜司投手(23)が9日、日南キャンプでチーム初実戦となる紅白戦に登板し、2回を無安打無失点に抑えた。最速145キロを記録した直球を主体に5奪三振。大竹が巨人にFA移籍した人的補償としてオフに加入した経緯があるだけに、視察した松田オーナーは「巨人も悔しがるじゃろ」と満足げな表情を浮かべた。

 鳴りやまない拍手の中、一岡が小走りでマウンドを下りていく。紅白戦の主役は誰の目にも明らかだった。

 「イメージに投球が近づいてきた。真っすぐで狙ってファウルも取れたし」

 カープの一員となって初めての実戦登板。先頭菊池はフォークで空振り三振。3番丸、4番エルドレッドは外角直球で見逃し三振。いきなり3者三振だ。6回は味方失策で走者を背負うも、1死三塁から2者連続三振。最後は白浜相手に三振を狙い、ボール球の高め直球を振らせた。「球児さん(カブス藤川)のようにスピンを利かせて高めで空振りを取りたい」。理想通りのワンシーンだった。

 2回を無安打無四球、5奪三振。直球は最速145キロを記録し、スローカーブは98キロ。47キロ差で打者を翻弄(ほんろう)し、何より高速フォークが光った。巨人時代の昨夏、豊田2軍投手コーチから教わったモノだ。「緩いフォークが1軍で見極められてしまって…。縫い目に指をかける、速い回転のフォークを教わりました」。もともとの低速フォークに高速フォークを加え、一気に進化した。

 7日のシート打撃では先頭のドラフト3位田中に右前打を浴び、松田オーナーから「新人に打たれやがって」と冗談まじりに突っ込まれた。反省を生かし、右股関節が開く悪い癖を中1日で修正。それでも「まだ全然100%じゃない」と浮かれない姿が頼もしい。

 巨人にFA移籍した大竹の人的補償としてオフに加入。松田オーナーは「巨人が悔しがるじゃろ。(1軍)枠に入ってくると思う。今度(巨人桃井)社長にありがとうと言ってやらないかんな」と満面の笑みだ。まずは先発枠を狙うが、リリーバーとしての潜在能力も間違いなく高い。将来、巨人が泣きカープが笑っている可能性は十分ありそうだ。【佐井陽介】