「新・鉄人」復活にひと安心!

 インフルエンザで離脱していた阪神鳥谷敬内野手(32)が9日、宜野座キャンプの練習に再合流した。5日に感染が発覚し、5日ぶりの本格的な練習再開。本隊とともにフルメニューをこなし、周囲の不安を一掃した。

 ブランクを感じさせたのは最初だけだった。シートノックでは珍しくファンブルを連発。2度、ゴールデングラブ賞に輝く名手といえども、本調子ではなかった。「ノックでポロポロしましたけどね」と首をひねったが、ご愛嬌(あいきょう)だ。フリー打撃では強打を見せつけた。42スイングで8本の柵越えを披露し、存在感を示した。

 時間がたつにつれ、回復ぶりを強烈に印象づけた。通常練習後はメニュー表には名前がなかった特守に参戦。新井とともにノックを受け続けた。さらに宜野座ドーム内でマシン打撃、筋力トレーニングをこなすなど精力的で病み上がりを感じさせない動き。周囲も驚くインフルエンザ禍だったが「人の子ですよ。(状態は)普通です。様子を見ましたし」と平然だった。

 キャンプイン後、災難続きだ。鳥谷や藤井がインフルエンザに感染した後は鶴岡も発症。二遊間を組む西岡は右肘関節炎で前日8日に緊急で大阪に戻った。離脱者が続出して、和田阪神に暗雲が垂れ込めているが、鳥谷主将は「別に今はね、シーズン中ではないですから」と一蹴した。勝負は始まったばかり。チームの柱が元気な姿で、不安定なムードをピリッと引き締めた。【酒井俊作】