楽天金刃憲人投手(29)が10日、「投げ込みのススメ」を説いた。最大風速9メートルという強風にもかかわらず、ブルペンで軽快に投げた。「千葉みたいな風でしたね。良い練習になりました」と涼しい顔で言った。久米島キャンプも後半に入ったが、練習休みだった7日をのぞけば、初日からブルペン入りしなかったのは1日だけ。ほぼ皆勤賞を続けている。

 連日のブルペン入りで、キャンプでの総投球数は700球に迫ろうとしている。中継ぎという立場ながら、チームでも1、2を争う多さだ。「今、やるしかないでしょ」とこともなげに言ったが、投げ込みの利点は多いという。「たくさん投げることで、鍛えられますね。精神面、肉体面、両方ですね。もちろん、体は疲れます。でも、シーズンでも体は疲れる。その時に、どれだけの球を投げられるかなんです」と力説した。

 星野監督は投手陣に対し、キャンプ中に2000球を目標に投げ込むよう求めている。金刃は中堅の年齢ながら、快調なペースで投げている。4月で30歳を迎える左腕の言葉は、若手にとって耳を傾ける価値あり、だ。【古川真弥】