至高のダブル国民栄誉賞指導だ!
巨人は宮崎キャンプの12日、視察に訪れていた長嶋茂雄終身名誉監督(77)と松井秀喜臨時コーチ(39)が井端弘和内野手(38)に打撃指導を行った。ミスターとゴジラによる「打撃教室」に井端は感激しきり。中日から新加入のベテランが巨人のレジェンドたちに触れた。
まずはミスターが動いた。居残り特打。長嶋終身名誉監督は、打撃投手の松井コーチの球を打ち返す井端を、ケージ裏から「ほ~!」と声を上げながらしばらく観察していた。だが野球人の血がうずく。99球を打ち終え、マシン打撃に移ろうとした井端を呼び止めた。ケージ横で打撃を見ながら、身ぶり手ぶりで助言を伝えた。さらにはケージの中まで回り込んで入って、井端と正対する形で指導した。ここまで動き回って教えるのは04年に脳梗塞で倒れて以降は珍しかった。
百戦錬磨の井端も背筋が伸びる思いだった。「特打だけで(プロ生活)17年間で一番疲れた」。重みのある約10分間の指導は具体的だった。「打ちたい方向に(下半身の)力を出すように、ライト方向に打つときも体重を乗せて、しっかり押し込むようにと言われました」と明かした。
松井コーチからも言葉をかけられた。「下半身から始動して、打ちたい方向に力が入っていくようにと言われました。右腰でボールを押しつぶす感覚」。師弟関係で結ばれている2人のイメージは共有されていた。
昨年、国民栄誉賞を同時受賞した2人は球界屈指の巧打者をほめた。長嶋終身名誉監督が「ベテランだからね。ひと味もふた味も違う味のあるバッティングをする。自分のバッティングをすれば問題ない」と太鼓判を押した。松井コーチも「ケガ明けと聞いていたが、打つ方はまったく問題ない。(自分が投げた)ボール球もうまく打ってくれて、思い切りのいい打撃だった」と賛辞を並べた。
井端は今季から中日に別れを告げて、新天地に飛び込んだ。ベテランを温かく迎えるように、巨人のレジェンドたちが熱く指導した。「こういう打者は普通、教えてもらえない。ポンポン打つ打者と違うから。ありがたかったです」。プライスレスなダブル指導が井端に活力を与えた。【広重竜太郎】



