1日で地獄から天国だ。ソフトバンク柳田悠岐外野手(25)が12日、春季キャンプの紅白戦に白組の5番中堅で出場。4回に笠原のカーブを中前に、6回には巽のシュートを右翼に運ぶ二塁打。ただ1人のマルチ安打でレギュラー奪取を猛アピールした。

 「ヒット1本も打ってなくてヤバイと思っていた。1本出て心に余裕ができた」。前日11日のシート打撃では引っ掛けた内野ゴロ3本に終わった。「ゴミみたいな内容。バットをこねくり回していた。自分にムカついた」と危機感たっぷりに居残りロングティーを敢行し、本塁打狙いの打撃を修正した。

 もしこの日も打てなければ、罰として休日返上が待っていた。藤本打撃コーチは「普通は調子が落ちたらなかなか切り替えられない。けどアイツは1日で切り替わる。その天然ぶりがいい。昨日はゴミと言ってたけど、今日は天才って言ってた」と、変わり身の早さに感心した。

 期待の長距離砲は決して浮かれず、再びロングティーに取り組んだ。最後は5本連続の柵越えに挑戦。前日は何度もやり直したが、今度は一発で成功させ「よっしゃー!

 明日も打つぞ!!」とガッツポーズ。今日13日にも予定される紅白戦に向け、気合を再注入。もうゴミには戻らない。【大池和幸】