巨人は14日、2次キャンプ地の沖縄・那覇に乗り込んだ。その約45分前、松井秀喜臨時コーチ(39)が搭乗した飛行機が東京へ出発。行き先は違っても、巨人ナインの心に残ったのは、濃密な13日間で得た「松井の宝」だった。1日からの宮崎キャンプでは、松井コーチが打撃投手、打撃指導、講義などを実施。巨人、ヤンキースで中軸を担った経験や技術、メンタルをこれから始まる実戦の場で生かす。

 ゴジラからの宝物を胸に、巨人が沖縄に乗り込んだ。13日間の指導を終えた松井氏が穏やかな笑みを浮かべて、飛行機に乗り込んだ45分後、2次キャンプに向かう1軍の面々が引き締まった表情で南国に向かった。松井コーチはもう、そこにはいない。触れ合う中で得た財産を武器に、実戦中心の仕上げに入る。

 肌で感じた「世界基準」を、自信に変えたのは内海だった。12日の講義。松井コーチが「すごくうれしかった言葉」と披露してくれたのは、ヤンキース時代のジョー・トーリ監督から贈られた「ブルーカラーの選手(文句を言わずに働く選手)」という賛辞だった。自身の哲学と同じで「僕は間違っていなかった」とまい進する意思を固めた。宮崎キャンプ中に左足に打球が当たったが「全然大丈夫」と平然と言った。“ブルーカラー”を貫き、調整を進める。

 「世界の内角」について取材し、攻め抜く覚悟を定めたのは阿部だった。宮崎滞在中、食事に行き、左打者にとって、左投手の内角へのシュートがいかに効果があるかを実感した。名門ヤンキースでも、主力が内角を厳しく攻められれば、チーム一丸で攻め返す。「僕も去年、たくさん死球を受けている。あらためてだけど、あれほどの人が嫌がるんだから、やっぱり懐に攻めるのは大事なんだよね」と肝に銘じた。

 16日の韓国・SK戦から、対外試合がスタートする。阿部と同じように「世界の内角」を教わった菅野も、宮国も、それを実践する機会が訪れる。「島人(しまんちゅ)の宝」ならぬ「松井の宝」を体現し、レベルアップする。【久保賢吾】