阪神の新守護神、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国・サムスン)の「石直球」は本物だった。15日、午前中のフリー打撃。初の打撃投手で、虎の命運を握るストッパーが、マウンドに上がった。1月23日の来日から24日目。ついに打者に対峙(たいじ)。「石直球」と呼ばれる、重いストレートの球威をみせつけた。

 まずは今成の前に立ちはだかった。初球、2球目とボールになったが、3球目から5球連続でファウルだ。投げ終えてから平均7秒後に、次球の投球動作に入るテンポの良さで「石直球」を投げ込む。初めてフェアゾーンに打球が飛んだのは、8球目(投ゴロ)。今成が「真ん中高めのボールに差し込まれた」と振り返るほどの、球威だった。

 今成、新井に計48球で安打性は9本。柵越えは0だった。さらに直球とカットボールだけでなく、新たな武器ものぞかせた。今成の最終球は外に鋭く逃げるツーシーム。呉昇桓は「今日は良かった。でもまだ練習の段階。ゴロを打たせる球です」と平然としたものだが、007部隊は警戒を深めた様子だ。巨人森中スコアラーは「(ツーシームが)良かったよ。変化が大きかった。右(打者)にどうするのかを見てみたい」。右打者相手では懐に鋭いボールが食い込むことになるだけに、要注意マークをつけた。

 第2クールでは2日連続のノースロー調整で周囲は混乱した。そんな不安の声も、どこ吹く風。10分間の呉昇桓ショーだった。【松本航】