日本ハム栗山英樹監督(52)が「スピリチュアル抜てき」を敢行する。沖縄・名護キャンプの17日、サプライズなひらめきを披露。今日18日の練習試合の韓国・サムスン戦(名護)で、2軍調整中のドラフト3位岡大海内野手(22=明大)の緊急招集することを決めた。理由の1つが同名の「岡ひろみ」が主人公のマンガ「エースをねらえ!」の大ファンで、縁があるとの直感が働いたと告白。運命を感じる新戦力の誕生なるか注目だ。

 感じ、決めた。栗山監督が、青春時代に思い焦がれてきた「岡ひろみ」にときめいた。16日の紅白戦でルーキー岡が1安打1盗塁の活躍に心を奪われて一夜明けたこの日、再抜てきする方針を固めた。サムスン戦に2軍の野手ではただ1人、招集。右翼手で先発起用し、出場機会を与えて試験運用する。昨年11月にアマから侍ジャパンにも選出された実力のほかに、もう1つの秘めた理由。数奇な縁を突如、語り出した。

 栗山監督

 オレさぁ。毎週「マーガレット」を買いに行っていたんだよね。じゃんけんで負けたヤツがお金を出してさぁ。オレは男子校でね。目の前が女子校で買うのが恥ずかしかったなぁ。土曜日の(午後)7時30分からテレビを観ていたんだよね。何か縁があると思うんだよね。冗談だと思っているでしょ?

 本当だよ。何か縁があると思っている。

 最後の一押しは、そんなスピリチュアルな感覚だったのか。少女漫画雑誌「週刊マーガレット」に掲載されていた、スポ根のテニス漫画「エースをねらえ!」の熱烈なファン。単行本を全巻そろえていたという。「岡ひろみ」という語感に、指揮官は「燃える!

 燃えるよ!」と興奮する。昨年のドラフトで指名に成功した時から、運命的なモノを感じていたという。「評価もしていたし、獲れたということは、やっぱりこれは何かあるんじゃないかと」。そんな本能に従いレールを敷いた。

 今回、出場機会を与える予定の右翼。大谷が投手調整を優先させるため、流動的なポジションだったことでチャンスが生まれた。栗山監督は「うちのチーム事情を考えても縁があると思うんだ」と、科学で解明できないような力説を重ねた。岡へのメッセージのように、マンガの名フレーズまで暗唱した。「この一球は絶対無二の一球なり」。野球界の「岡ひろみ」は体現できるのか。栗山監督の直感の答えは、現実世界で出る。【高山通史】

 ◆エースをねらえ!

 山本鈴美香さん作のスポーツ漫画。73~75年、78~80年に漫画雑誌「週刊マーガレット」に連載された。名門高校のテニス部に入部した岡ひろみが苦難を乗り越えトップ選手に成長する姿を描き、人気を博した。アニメは73年にテレビ朝日系列、78年に日本テレビ系列で放送。04年には上戸彩主演でテレビドラマ化された。