<オープン戦:日本ハム7-1ロッテ>◇22日◇名護

 二刀流の「バカヤロー解散」の危機にさらされていた日本ハム大谷翔平投手(19)が先発し、3回4安打1失点と及第点の投球で、今後につなげた。スライダーが不調で苦しんだが、そんな中でもソロ本塁打の1失点でしのいだ。昨季は先発投手の中で最低だった「初球ストライク率」も今季は上昇。この日も成長の跡を見せ、栗山監督からも「バカヤロー」の言葉は出なかった。

 決め球スライダーはことごとくボールになった。3回を投げ、奪三振は0。それでも大谷は崩れなかった。「(制球が)全部ビタビタいくわけじゃない。走者が出てから注意しようと思いました。全体的には悪くなかった」。結果的に失点は吉田に浴びたソロ本塁打の1点だけ。前日21日に「バカヤローだったら(ローテから)外す」と話していた栗山監督も「それほどクシャクシャじゃなかった」と、状態が悪い中でも粘ったことに及第点を与えた。

 崩れなかったひとつの理由に、テンポの良さがある。打者13人と対戦し、初球ストライクが8。「追い込み方は悪くなかったです」。失点し、さらに2死一、三塁だった3回も今江を147キロ直球で遊ゴロに仕留めた。ピンチに立たされても攻めの投球を貫けた。

 昨季は61回2/3を投げ、四死球が41。だが今キャンプはここまで実戦3試合、9イニングを投げて四球は2に減少した。特に先発投手陣で最下位、わずか50%ほどだった「初球ストライク率」は68%に上昇している。スコアラーからコーチに再任した厚沢投手コーチは「初球がボールだと、どれだけ打者が楽なのか」を、データを使って訴えた。大谷の中にも、今まで以上に「初球が大事」という意識の変化が生まれた。

 対戦相手ロッテのスピードガンでは最速151キロを計測。この日解禁した「速いカーブ」も手応えをつかんだ。クイックモーションのタイムも合格点をもらった。「力を入れたときのスライダーが課題」と反省したが、収穫も多かった。

 次回登板も中6日の間隔を保ち、3月1日広島との練習試合(名護)の予定。首脳陣は合間の野手出場のサイクルを変更し、投打「二刀流」で一番力を発揮できる起用法を模索していく。大谷は「疲れはないです。何カ月も続けていけばきつくなってくるかもしれないけど、今の段階では気にすることではないので」と話す。開幕ローテ入り、そして「二刀流」成功へ。1歩1歩前進していく。【本間翼】