中日ドラフト1位の聖隷クリストファー・鈴木翔太投手(3年)が2月28日、約2カ月ぶりに登校した。沖縄・読谷村の2軍キャンプでは、休日が3日だけというまさに練習漬け。1日限定で1軍にも合流するなど、充実した日々を過ごした。あらためて1年目での1軍デビューへの思いを深めた右腕は、今日1日に行われる卒業式後に、チームへ戻る。

 級友と約2カ月ぶりに再会した鈴木翔の際立つ日焼けぶりが、キャンプの成果を物語っていた。前日27日の午前中まで沖縄で練習し、この日は名古屋から登校した。クラスでは「日焼けのことしか言われませんでしたよ」と笑いつつ「体つきが変わったとも言われました」と付け加えた。新人合同自主トレから始まり、髪を切る暇もなかったという約2カ月間に、ドラフト1位右腕は確実に成長したようだ。

 2軍キャンプは午前10時から午後6時までみっちり練習し、休みは3日だけだった。「初めはしんどかったけど、後半はだいぶ走れるようになって慣れました」と、プロへのステップを順調に消化。谷繁元信兼任監督(43)ら首脳陣から高評価を得るしなやかな投球フォームも「固まってきた」と前進を続けてきた。

 最高のお手本も得た。2軍で調整する吉見一起(29)の投球を目の当たりにし「吉見さんの体重移動は勉強になった」。休日前日には食事にも連れて行ってもらったというエースを追い掛けるつもりだ。23日には1日限定で合流し、61球のプルペン投球を披露した1軍でも「みんなボールに力があり、コースもまとまっていて違うと思った」と、目指すレベルをインプット。26日には打撃投手を務め、1軍打者の力も肌で感じた。目標とする1年目での1軍登板へ「手応えはまだまだ」としながらも、決意が揺らぐ表情ではなかった。

 密度の濃い日々を過ごした分、今回の登校は大きなリフレッシュになったようだ。この日は、県私学協会から各クラス1人に贈られるという表彰状を授与された。取材後は「これからクラスメートの家に集まるんです」と、楽しそうに帰っていった。とはいえ、今日1日の卒業式後には名古屋に戻る。仲間からもらったエネルギーを糧に、目標へとまい進する。【石原正二郎】