<オープン戦:ロッテ1-1オリックス>◇14日◇QVCマリン

 右3人、左3人の理想の先発ローテーションが見えた!

 ロッテ藤岡貴裕投手(24)が、オリックス戦に3番手で登板し2回1安打無失点と好投。開幕投手が内定している成瀬、古谷に続く左腕3人目に名乗りを上げた。これで唐川、西武からFA移籍した涌井、ドラフト1位石川歩(25=東京ガス)の右腕トリオとともに先発ローテを形成する。藤岡は4月3日、本拠地開幕シリーズとなる西武戦の3戦目に先発することが有力になった。

 藤岡は140キロを超す速球でグイグイ押す投球を見せた。立ち上がりの先頭打者こそ安打を許し、犠打で1死二塁のピンチを背負ったが後続を内野フライ2つであっさり料理。2イニングの最終回は3者凡退に退けた。「最初のバッターに2ストライクと追い込みながら打たれたのが反省。それ以外はストレートで押して、いい感じで投げられました」と納得の表情を見せた。

 オープン戦は2試合連続で好投した。左腕の3番手が残る課題だったが、これでメドが立った。伊東監督は「打者に向かって行く感じが出ていた。打たれる気がしなかった。十分にローテに入る感じを残してくれた」と、合格点を与えた。キャンプでは打者に向かう姿勢が見えないと突き放した時もあった。昨年は打たれだすと止まらず考え込んでリズムを悪くしていたが、この日はテンポよく自分のペースに引きずり込んでいた。

 開幕投手が内定している成瀬は、5回を4安打1失点とこちらも順調な仕上がりを見せた。「スピードがもう少しだけど、体を使えばできる楽しみはある。後はストレートで空振りが取れれば」と課題クリアに自信を見せる。昨年9勝の古谷も2回無失点と安定した内容だった。「寒かったけど、気にせず体が動いた。後は長いイニングを投げることです」と不安はない。

 伊東監督は手ごたえ十分だ。キャンプの時に掲げた理想の右腕3人、左腕3人の先発ローテが固まってきた。「そうだね。3人とも内容がよかった」と評価した。開幕ダッシュの青写真は整いつつある。【矢後洋一】