<オープン戦:ソフトバンク10-0巨人>◇16日◇別大興産

 格好良すぎる里帰りだ。ソフトバンク内川聖一外野手(31)が満員御礼の地元大分で2打席連発、3打数3安打6打点と大暴れした。巨人内海の3球種をさばいた。背中の筋肉量を増した体を土台とした「スパッと」打法で、飛距離はアップ。オープン戦3本塁打、14打点で2冠とした内川が9連勝で単独首位に立ったチームの中心にいる。

 実は、緊張のピークにいた。家族、親戚、同級生に先輩、後輩、知り合い、地元の協賛企業がスタンドに大集合。「周りは年に1回なんだから結果を出してくれと言うので…」。昨年の開催決定からずっと意識した“里帰り”で、予想外の主役だ。「出来すぎです」「野球の神様、いましたね」。小学生の頃にプロに憧れ、大分工で汗と涙を落とした球場に感謝し、肩でフゥ~と息を吐き出した。

 内海の3球種を仕留めた。1回の中越え適時二塁打はスライダー。2回の左中間3ランは内角直球だった。4回はチェンジアップに泳がされながら左翼へ2ラン。球場のネーミングライツ権も持つ、地場不動産「別大興産」の広告横断幕に突き刺した。前夜は関サバに関アジ、豊後牛と地元特産品でナインを、一夜明けて巨人内海を3安打6打点、2本塁打でもてなした。

 2打席連発を「1本目は芯詰まり。2本目は抜けたんですが(バットに)引っ掛かった感じが良くて入ると思った」と振り返り「オープン戦で引っ張ってのヒットは初めて」と強い打球にある種の手応えがある。6年連続打率3割からの進化を求め、今季のテーマは「スパッと」。インパクトで最大パワーを「ガツン」とぶつける昨年から「通過するところで最大スピードにもっていく。スパッと抜く感じ」という。

 背中の“こんもり”がそれを実践可能にした。オフの筋トレで脊柱起立筋と呼ばれる、背中の中心部分を縦に走る筋肉が発達した。体をねじると、特に上背部にこぶのように浮きでる。フォームを乗せるボディーの強度を高め「ブレは少ないと思います」。技術にパワーとスピードをかけ合わせ、「長打が出てきて、感覚が変わってきているのかな」。25打席以上立った選手でトップとなる長打率8割1分5厘。3本塁打、14打点で「打撃2冠」とした。

 チームは9連勝でオープン戦単独首位。V候補の本命にエンジンがかかってきた。その中心にいる内川は「僕自身、開幕してほしいし、オープン戦だけで終わらないようにしたい」と言い切る。大型補強ばかり注目されるが、既存選手のパワーアップも見落としてはいけない。【押谷謙爾】