<オープン戦:日本ハム0ー2中日>◇16日◇札幌ドーム

 あの豪快さは、どこへやら…。日本ハム中田翔内野手(24)が超自虐的に皮肉り、奮い立たせた。中日戦で7回に左中間二塁打。4日巨人戦での本塁打以来26打席ぶりの長打を放つも、深刻な胸の内を吐露。打率1割3分9厘の打撃スランプに、挑戦中の三塁守備も不安。試合前に相手の谷繁兼任監督に悩み相談するなど、開幕直前に迫っても試行錯誤が続いている。悩める主砲が心身ともに復調なるか、開幕ダッシュのカギを握りそうだ。

 待望の一打にも中田の表情は、どこかさえなかった。7回の第3打席。2ボールからの3球目だった。ファンの悲鳴のような歓声をBGMに、打球は左中間を破った。4日巨人戦で宮国から放った本塁打以来、26打席ぶり長打。不振が続いていた主砲に、復活の兆しが見られた…かに見えたが、心の闇は深かった。

 控えめに、しんみりと自らにダメ出しした。

 中田

 たまたま。打ったら当たってくれただけ。手応えは、まだ特にない。それより今は集中して少しでも投手に負担をかけないようにしないといけない。

 持ち前の豪快さは影を潜めたままだった。試合前練習中には、なりふり構わず敵陣に乗り込んだ。中日谷繁兼任監督に頭を下げ、悩み相談に乗ってもらった。「打撃のこととか、いろいろ聞いてもらった。長かったかな?」。膝を曲げ腰を据えて約10分間。マンツーマンで悩める胸の内を告白した。不振から抜け出すため手段は選ばなかった。

 ポジティブ中田がネガティブになるもう1つの要因は、昨秋からスタートした三塁守備だった。オープン戦通算1失策も、記録に残らないミスが心に染みついていた。前日15日の中日戦ではゴロをはじいて失点。「投手に負担かけてばっかり。もうちょっと、しっかりしたい」。失策にならなかったものの責任を感じていた。栗山監督は「早く自分らしくなってほしい」と復活を願う。

 中田

 外野手はクビになったと思っている。三塁手が嫌だからといって左翼に戻れるほど甘くない。今は(杉谷)拳士や(谷口)雄也がいる。最終的に、やれって言われたところをやるしかない。

 プロ7年目の開幕直前で、立ちはだかった高い壁。「家に帰ったらすぐ寝る。明日に引きずらないように」。長いトンネルの先には…。自信たっぷりに、いつものドヤ顔での開幕突入へ、自分との闘いは続く。【田中彩友美】