能力が高いからこそなせる技だ。開幕ローテ入りを果たした日本ハム大谷翔平投手(19)に、公式戦中も「球種制限令」が下される可能性が出てきた。手の内を隠す意味合いがあって、使える球種をあえて制限した22日巨人戦でも、5回無失点の好投。厚沢和幸投手コーチ(41)は、相手をかく乱させる意図もあり、シーズンに入っても、同様の作戦をとる可能性を示唆した。

 他球団の「大谷対策」はまったく通用しなくなるかもしれない。厚沢投手コーチが、不敵に“予告”した。「シーズンに入ってからも、(球種を)制限してもおもしろいかもしれない」。開幕ローテ入りした大谷に、登板ごとに使用球種に制限をかける可能性を示唆した。

 発端は、オープン戦最後の登板となった22日の巨人戦にある。2種類のスライダーに2種類のカーブ、そしてフォーク、チェンジアップ、カットボールと、多彩な持ち球を持つようになった大谷。スタンドに陣取るスコアラーに手の内を見せない意図もあり、首脳陣はこの日、ストレート、高速スライダー、フォークのみで抑えるように指示した。ふたを開けてみれば…。強力打線、狭い東京ドームという“難易度”にもかかわらず、大谷は指示に従って5回無失点と好投した。

 制限しても抑えることができるなら、メリットは大いにある。昨季までスコアラーをしていた同コーチならではの目線。「たとえば前回の登板でスライダーが(全投球中)30%もあったのに、次は5%も投げないとか。全然違う組み立てになっていれば、データの意味がなくなる。先乗りスコアラー泣かせだよね」。プロ野球は各球団に先乗りスコアラーがおり、対戦する数カード前から、相手チームのデータを取って研究している。だが、マウンドに上がるたびに違う投球スタイルで投げられれば、データもミーティングも、何もかも意味をなさなくなるのだ。

 投打「二刀流」を続ける大谷だが、今季はマウンドに上がるたびに、違う顔を見せるかもしれない。【本間翼】