<日本ハム6-5オリックス>◇28日◇札幌ドーム
日本ハム大谷翔平投手(19)が「二刀流」2年目の進化を証明した。3番右翼で先発。7回2死三塁で一時同点となる左中間フェンス直撃の適時二塁打、5回にも二塁打を放ち、6打数2安打1打点で2年連続の開幕戦マルチ安打。4番の中田翔内野手(24)も5打数2安打1打点。延長12回のサヨナラ勝利に貢献し「平成のON」が14年の日本ハムをけん引する雰囲気を漂わせた。
祈りが、通じた。延長12回1死満塁。ベンチの大谷は、両手を合わせて目を閉じた。「僕は常に神頼みなので。小谷野さんに(サヨナラ安打が)出てくれてよかったです」。笑顔で、ヒーローの元へ駆けた。横には、中田がいた。「平成のON」がクリーンアップで並んだ開幕戦。34年ぶりの開幕延長サヨナラ勝利で、5時間2分の競演はフィナーレを迎えた。
ネクストサークルの中田が手をたたいて喜んだのは、1点を追う7回2死三塁だ。左中間へ飛んだ大谷の打球が、フェンス上段を直撃した。左足を後ろに引きながら、“左方向へ引っ張る”芸術的な一打。難敵・オリックス金子を、マウンドから引きずりおろした。「たまたまいいところにきた。でもしっかり振れてよかったです」。到達した二塁ベース上、珍しく右拳を握りしめた。
5回にも右中間へ二塁打を放っており、昨年の開幕戦に続き2安打1打点。高卒新人から2年連続の開幕戦マルチ安打、打点は史上初の快挙だ。「打点は前に走者がいないとつかないので」と、チャンスメークしてくれたチームメートに感謝した。
だがその5回は、チャンスメーク役だった。続く中田が右前適時打で、劇的勝利への“序章”を描いていた。カウント0-2の劣勢から、外角のスライダーに食らいついた。2死走者なしから、2人だけで得点まで結びつけた。「追い込まれてどう対応しようかだけ考えた。点になってよかった」。大谷、中田、ともにマルチ安打で1打点。劇的勝利をお膳立てしたのは、主軸の2人だった。
対照的だが、どちらも強烈な個性を持つ。大谷が「中田さんの打撃は参考になる」と話せば、中田は5歳下の「二刀流」プレーヤーを「凄ぇよ、あいつ」と絶賛する。一緒に出場した昨年の球宴第3戦後には、中田が誘って食事に出かけた。チームだけではなく、日本球界、侍ジャパンを背負っていく2人。栗山監督は「(大谷は)今年、打つ方で成長している部分を見せてくれた。(中田)翔も大きかった」と、たたえた。
大谷は4月3日ソフトバンク戦での先発も控えている。「明日からも大事だと思う。これに続いて、しっかりやっていきたいです」。3、4番に並ぶだけでなく、中田の決勝打で大谷が勝つこともあるだろう。V9をけん引した王、長嶋の栄光にはまだ足元にも及ばない。だが「昭和」にはなかった魅力が、「平成のON」にはある。【本間翼】
▼日本ハムが開幕戦サヨナラ勝ち
開幕戦のサヨナラ試合は、パ・リーグでは13年ロッテ-オリックス戦(QVCマリン)でロッテが延長12回の末、3-2で勝って以来19度目。日本ハムのサヨナラ勝ちは、前身の東映時代の62年(対大毎、延長11回、5-4)、日本ハムに変わってからの80年(対西武、延長10回2-1)、89年(対ダイエー、9回6-4)に続き、今回が4度目。



