完全復活へ向けた第1歩を踏み出す。日本ハム斎藤佑樹投手(25)が今日29日オリックス戦(札幌ドーム)で今季初先発する。28日、試合前練習で最終調整。準備は整った。右肩関節唇損傷を乗り越え、つかんだ開幕ローテの座。前夜の劇的サヨナラ勝ちから流れを切らさないためにも大事な試合になる。「自分らしく、できると思います」と自信がみなぎった。

 新たな「斎藤佑樹」を見せる。「今回は変なプレッシャーを感じていない」。比較したのは12年開幕戦。初の開幕投手を務め、プロ初完投勝利を挙げた試合だ。当時と同じく、今回の登板が通達されたのは21日にヤクルト戦が行われた神宮球場だった。栗山監督は「『懐かしいな、佑樹』って、そこで伝えた」と明かした。2年前、大役を託したように熱い思いがあった。

 栗山監督

 今までは周りに作られた「斎藤佑樹」。今回は本当の「斎藤佑樹」という1人の人間としての勝負が始まる。あいつを使うことは、オレにとっても勝負をかけている。

 斎藤も「素直にうれしかった」と喜んだ。そして、指揮官の意図も理解していた。「僕が、どういう投球をするかが大事」。再起を誓うシーズンの初登板で、決意を体現する。【木下大輔】