<ソフトバンク3-2ロッテ>◇30日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク岡島秀樹投手(38)が、日本球界8年ぶりの白星を挙げた。8回を3者凡退に抑え、直後に内川が決勝2号ソロ。2季ぶり復帰の左腕は日本ハム時代の06年7月18日オリックス戦(札幌ドーム)以来の国内勝利となった。9回は新守護神のサファテが3連投で2セーブ目。強力ブルペンの活躍で、2年ぶりの開幕3連勝となった。

 淡々と勝利に貢献する仕事人左腕に、国内8年ぶりの白星が転がってきた。岡島は当時を覚えてないと笑う。「(内川が)打ってくれて良かった。あの回を抑えて流れが来たんじゃないかな」。個人より、チームの開幕3連勝を喜んだ。

 たった9球で仕事を済ませた。先頭の吉田を2球で中飛。続く根元、岡田は連続三振。いずれもカウント0-2と追い込み、ボールを挟まなかった。「連投だし、省エネでいかないと。アメリカでは3球勝負は普通ですから」と涼しい顔で振り返った。

 高2のセンバツ1回戦で投げ合ったロッテ小野晋吾(現スカウト)が昨年引退。岡島は、米国から戻ると一緒に食事した。「同期の人間がいなくなるのは寂しい。でも(レッドソックス)上原も頑張ってるし、(DeNA)尚成も日本に帰ってきた。僕らが頑張っているところを見せたい」。ベテランの存在感を示したい気持ちがある。

 9回はサファテが3連投締め。昨年まで在籍したファルケンボーグは3連投に難があったが、サファテは「144試合登板ペースだね。監督から行けと言われればいつでも行くよ」と頼もしい。家族が何よりの支えという。前回のオフは福岡・大濠公園に出かけた。「娘2人と乗った白鳥ボートが傾いて車輪が浮いて、僕だけ漕ぐことになった。足が張ったから、次は花見か散歩にしておくよ」とジョークもさえる。

 チーム打率3割超の打線が注目されるが、五十嵐、森福、柳瀬らをそろえた救援陣もリーグ屈指。広島、西武と渡り歩いたサファテが「今までやってきた中で最強のチーム」と言えば、岡島も「抑えがしっかりしているし、つなげば勝ちパターンになる」と話す。最高のスタートを切ったソフトバンクに、スキは見当たらない。【大池和幸】