<広島1-0DeNA>◇6日◇マツダスタジアム
「マー君世代」の代表格だ。中2日で先発した広島前田健太投手(25)が8回5安打無失点で今季初勝利。チームは87年以来27年ぶりに開幕から3カード連続の勝ち越しで、開幕ダッシュに成功した。巨人が敗れ、首位タイに再浮上。明日8日から敵地で首位攻防戦に臨む。
ガッツポーズは8回に出た。最少1点リードの2死二塁、打者はDeNAの1番石川。前田が1回にいきなり安打を許した相手だ。カウント1-0からの2球目。146キロ直球をインハイにねじ込む。フラリと上がった打球は三遊間方向へ。マウンドを降りると、捕球に出る三塁田中を気にせずに背走。自分でボールをつかみ、こぶしをつくった。「思ったより遠くに行っていましたね。あの高さだと(野手に)任せて捕れない場合もあるし、落とされても困るので、自分で捕りにいきました」と振り返った。
執念でつかんだ今季初勝利だ。開幕戦に勝てず、3日のヤクルト戦は降雨ノーゲーム。「雨男」と自称するだけに、この日の試合前も小雨が降ったが、雨からもDeNAの反撃からも逃げ切った。1回、梶谷を最速151キロの真っすぐで空振り三振に切るなど直球主体に98球。3日に11球を投げていたため、9回はミコライオの救援を仰いだが、気合の入った投球を繰り広げた。「勝ててホッとしてますね。チーム状況がいいから、そんなに焦りはなかったけれど、やっぱり周囲は勝っていくんでね。自分の立場を考えれば、早く勝ちたい…と思っていました」。
くしくも前日5日、初勝利を挙げたヤンキース田中と同じ「ホッとした」というセリフが口をついて出た。自らの夢の舞台でもある大リーグで活躍する同い年の友人の動向は気になり、刺激にもなる。だが、今は自分の仕事に集中している。「同じ国というかリーグでやっていれば、意識するんでしょうけれどね。今は…」。そう笑顔を見せたエースはファンの前で「優勝するぞ」と絶叫した。
巨人と並走し、明日8日からは首位攻防戦。「意外な感じもしますが、今はチームも変わってきている。負けてきたイヤな歴史をこのまま変えていければいいと思います」。エースとして、ファンの悲願を背負う立場として、力強く言い切った。【高原寿夫】
▼広島は開幕の中日戦、ヤクルト戦に続いてDeNA戦も勝ち越し。広島が開幕から3カード以上続けて勝ち越したのは、84年6カード、87年4カードに次いで27年ぶり3度目。この日は昨年8月6日阪神戦以来の1-0勝利で、今季は6勝のうち4勝が1点差。広島の1点差試合の勝率は09年から.487→.405→.412→.462→.489と、5年連続負け越し中だが、今季は接戦をものにしている。開幕から勝ち越しを続けた84年は貯金30で優勝、87年貯金10で3位だったが、今季の広島は?



