<中日4-3巨人>◇6日◇ナゴヤドーム
うれしさとほろ苦さが残るデビュー戦となった。巨人ドラフト1位小林誠司捕手(24)が初のスタメン出場。プロ初打席で初安打を放つも、先発大竹とのバッテリーで4点を奪われ、連勝は5で止まった。「緊張しました。やっぱり負けて悔しい。内角のさばきとか反省ばかり」と表情はさえなかった。
阿部が前日5日の中日戦で左ふくらはぎに死球を受けて欠場し、出番が巡ってきた。巨人でルーキーが先発マスクをかぶるのは、05年10月4日の広島戦に出場した星(現西武)以来。見えない重圧に襲われた。試合前の練習では「吐きはしないですけど、(緊張は)解けません」。10人以上の報道陣に囲まれても「はい」「そうですね」と言葉少なだった。不安と緊張に揺れた1日だった。
だが、最初の見せ場で輝きを放った。「思いっきりを意識した」という3回の初打席。初球から振った。そして3球目、カブレラの高め直球を左前へ運んだ。
緊張を解放してくれたのは、父春富さん(58)の言葉を胸に刻んでいたからだった。「一芸に秀でる者は多芸に通ず」。1つの道を究めた人は、他の多くのことも身に付けることが容易になるという意味だ。「肩には少し自信がある。まずは肩をアピールしたい。打撃で落ち込むことなんて毎日。でもいつか良くなると信じたい」。武器の強肩を心のよりどころに、勇気を持ってバットを振り抜いた。
デビュー戦は収穫も課題もあった。「反省する、ということが収穫」と前を向いた。初安打の記念球と悔しさを持ち帰り、明日への糧とする。【栗田尚樹】



