<ヤクルト8-15阪神>◇6日◇神宮

 連日の大乱戦を阪神が制した。20安打15点でヤクルトに逆転勝ち。5-8の8回、同点としてなお1死一、二塁で阪神マット・マートン外野手(32)が2戦連発となる4号決勝3ラン。3回の落球を取り返し、両軍合わせて31安打の乱打戦にけりをつけた。2本塁打を含む3安打7打点の前日5日は11-12で負け。4安打4打点でチームの連敗を止めた。

 追い詰められた虎がマートンのひと振りでよみがえった。3点ビハインドの8回、猛攻で同点に追いつき、なお1死一、二塁。山本哲が投じた2球目、内寄りの甘い直球を左翼席へ。連日の今季4号3ランでヤクルトを突き放した。

 マートン

 本塁打は狙っていないよ。いい球が来たら、いいスイングをするだけさ。いい結果が出たね。毎日が大事。今日勝ててうれしい。

 前日5日は自己最多の1試合7打点を記録しながら敗戦。この日も乱打戦になった。3回には2死後に相川の浅い飛球を落球し、直後の3失点につながった。失敗はバットで取り返す。3、7回に右前打を放ち、8回の劇的アーチで3試合連続の猛打賞だ。9回も右中間に適時打。4安打4打点で逆転勝ちの主役を張った。自己最長タイの5試合連続打点で、開幕9戦で20打点。驚異的なペースで量産態勢に入る。

 開幕カードの巨人戦を戦った3月下旬の東京遠征中はゴメスと銀座のすし店に入った。板前さんの格好になり、カウンターのなかで記念写真をパチリ。リラックスタイムを楽しんだ。充実したオフもまた、好調を支える要因になっている。

 精神的にゆとりがあるのも大きい。前日5日は外角球に微妙な判定が目立ったが、不満を出すことなく、この日を迎えた。今季からオマリー打撃コーチ補佐が就任し、球場で長時間話し込むのは1度や2度ではない。球団関係者は「2人は野球の話を始めると止まらない。このカウントなら、こういう打撃をする、とか、とても細かい話をしている」と明かす。

 マートンは「どんな球の高低や両サイドへの投球でも対処できるのが理想。それに近づいてきて、できているかな」と言う。投手陣の危機的な状況で神懸かり的な打撃を披露。マートンのすごみが際立った東都の戦いだった。【酒井俊作】