<阪神9-0巨人>◇12日◇甲子園
打線爆発の口火を切ったのは、猛虎きっての元気者だった。2回2死走者なし。阪神新井良太内野手(30)が巨人内海の変化球をとらえた。やや泳ぎながらも思い切り振り抜いた。打球はバックスクリーン左に飛び込む1号ソロ。両左腕エースの緊迫した投げ合いを、先制弾で動かした。
「内海さんはいい投手なので、全部いったれという気持ちでやりました」
第1ストライクから打ちにいく積極性が、いい結果を生む。4回2死一、二塁の2打席目は左翼線へ打ち上げた。守備位置と風の影響もあり、アンダーソンの前でポトリと落ちた。適時二塁打で勢いをつける2点目をたたき出した。
「状態もいいし、元気ですね。良太が打つと、スタンドが盛り上がる」
和田監督がしみじみと言ったように、この男が打てばスタンドが沸く。ベンチが盛り上がる。7回にも変化球を強引に拾って、左翼線へ二塁打を放った。マートンの3ラン、鳥谷の適時打など14安打9得点…。開幕カード東京ドームでの借りを返すような猛攻撃の火付け役となった。
「能見さんが先発の時に初めてスタメンで使ってもらって、マジ燃えました」
お立ち台で打ち明けた。有言実行の猛打賞だった。甲子園のクラブハウス。新井良のロッカーから2つ隣に能見がいる。開幕から2試合、能見の登板日にはベンチスタートだった新井良は“ご近所の先輩”にこう宣言していたという。
「能見さんが先発の時は絶対に打ちますから!」
新井良の宣言に対して、能見は笑っているだけだったというが、「頼もしい後輩」ぶりを証明してみせた。激戦区の三塁レギュラーを争う渦中。スタメンの保証はない。「明日、もし、出ることがあれば頑張ります!」。お立ち台の最後、虎党へ言った新井良に能見がこう締めくくった。
「明日も良太は出ると思いますので、球場に来て下さい!」
猛虎打線に良太の勢いは欠かせない。【鈴木忠平】



