打点剥奪作戦だ!

 広島野村祐輔投手(24)、ドラフト1位大瀬良大地投手(22)が14日、マツダスタジアムで指名練習に参加し、現在3冠王の阪神マートン対策を練った。2人の共通意見は「いい打者の前に走者をためないこと」。今日15日から本拠地で2位阪神との首位攻防3連戦に臨む。野村は初戦、大瀬良は2戦目に先発し、5連勝中の虎を止める。

 広島投手陣の防御率は両リーグトップの2・33。阪神打撃陣の得点数は両リーグ最多の93。矛が盾を貫くか、盾が矛をはね返すか。首位攻防3連戦で広島にとってカギとなるのは、現在3冠王の阪神マートンをいかに抑えるかだろう。15試合で29打点。単純にシーズン144試合で計算すれば、驚異の278打点ペース。5連勝中の虎を止めるには、マートン対策が必要不可欠。野村、大瀬良は好機を与えない作戦に出る。

 野村は今日15日の初戦を任される。「対マートンというより、対阪神です」と冷静な語り口ながら、「いい打者の前に走者をためるのは良くない」と言った。昨季はマートンに9打数4安打1本塁打3打点と打ちこまれたが、阪神相手に3戦2勝1敗と勝ち越した。今季は新球シュートをモノにし、さらに進化している。開幕から2戦2勝、防御率2・25。前回8日巨人戦は狭い東京ドームで6回1失点と好投しており、強力打線対策は心得ている。

 2戦目先発のルーキー大瀬良も、先輩の意見に同調する。「3冠王で調子がいいんですよね?

 マートンの前に走者をためないよう、出さないようにするのが一番です」。デビュー戦から7回2失点、7回3失点と試合を作る能力は証明してきた。プロ3戦目での初星へ。以前から対戦したい打者と公言してきたマートンとの対戦が、待ちきれない様子だった。

 大瀬良は「ドキドキじゃないけど、こういう緊張感の中で投げられるのは幸せ。相手に合わせるんじゃなく、いつも通り自分の投球をしたい」と初々しく笑った。野村は「調子がいい打者がたくさんいる。回の先頭をしっかり取って、前回同様、打者に向かっていきたい」と3年目の落ち着きを漂わせた。自然体を貫きながら、冷静にゲームプランを遂行。若鯉2人が爽やかに、猛追する虎に待ったをかける。【佐井陽介】