<ソフトバンク4-1楽天>◇15日◇ヤフオクドーム

 今季3度目の登板でも快投とはいかなかった。楽天美馬学投手(27)がソフトバンク戦に先発。4回2/3を投げ7安打3失点で2敗目を喫した。4四球と制球が安定しなかった。仙台開幕となった1日のオリックス戦では4失点、8日の日本ハム戦では5失点と、3戦で計12失点。オープン戦、練習試合では13イニング無失点だった右腕が、開幕からは結果が出ていない。

 美馬がピリッとしない。1回1死、ソフトバンク今宮に右前打を放たれると首をかしげた。外角低めに落ちる135キロのフォークをすくい上げられた。続く内川には初球142キロのシュートで内角をえぐった、はずだった。バットは根元から竹を割ったように縦に真っ二つ。しかし打球は遊撃手の頭を越えて、左前に落ちた。「自分ではいい所にいったボールがみんなヒットにされた」。続く李大浩にも中前打を許し、先制された。その後も2四球を与えるなど初回に2失点。何とか抑えてベンチに戻る足取りは重かった。

 好調なのに結果が伴わない。直球の最速は146キロ。球威はある。カーブなどの変化球の切れ味も良かった。だが要所で逆球や、球が高く浮き痛打された。前回の日本ハム戦でも同様だった。3回に2ランを2発浴びるなど突然崩れた。5回5失点ながら味方の援護があり勝ちがついたが、開幕前に見せた抜群の安定感は鳴りをひそめた。佐藤投手コーチは「調子は良かったけれども、ボールが抜けちゃう。気持ち的にも引いている」と勝負どころでの弱さを指摘した。

 前日には「正直、ブルペンではずっと良い。グラウンドに入ってから変に気負って、ドツボにはまっている感じ。完璧を求めすぎて自分を追い込んでしまっているのかも」と話していた。前回登板から中6日の調整ではアメリカンノックなど走るメニューを増やし、体幹のバランスを強化。万全の状態で挑んだはずだったが、グラウンドに出ると一変。四球も4つ与えた。

 星野監督は「コントロールがアバウト。それに尽きる。よく3点で収まった」と苦笑い。四球の多さに美馬は「狙いすぎてボール、ボールになってしまった」と首をかしげた。3試合を終えて防御率は7・71。一刻も早い復調を誰もが待っている。【島根純】