<中日7-1DeNA>◇16日◇ナゴヤドーム

 竜の“ガッチャマン”が開幕から無傷の3連勝だ。中日山井大介投手(35)がDeNA打線を7回7安打1失点で踏ん張った。今季はホーム試合の打席登場曲に「科学忍者隊ガッチャマン」の主題歌を採用。4回は犠飛も放ち、勝利に貢献した。チームは本拠地ナゴヤドームで6連勝。勝率は5割になった。

 またあのアニソンが中日に大勝を呼び込んだ。4-0の4回無死満塁。「科学忍者隊ガッチャマン」の主題歌に乗って打席に立ったのはピッチャー山井だ。DeNA尚成の直球に食らいつき右犠飛。三塁走者の和田が本塁を駆け抜けた。

 「バットをもってるんで何とか強いスイングをしようと思った」

 ガッチャマンが初めてナゴヤドームに鳴り響いた8日ヤクルト戦に続き、今季2戦連続となる2打点目。また、自らのバットでリードを広げた。

 トレードマークのゴーグル型メガネをかけ、マウンドでもしっかりと役割を果たした。7安打を浴び、5回には白崎の適時打で1点を失ったが、失点はそれだけ。走者をためても併殺で切り抜け、7回までたどり着いた。

 これで開幕3戦3勝。同じく3連勝のカブレラとともに、チーム8勝のうち2人で6勝を稼ぐ。昨季5勝の男が立派な柱になった。

 「2アウトから四球やデッドボールなどもったいないところもあった。ただ、最少失点で後ろの投手につなげたことは良かった。もともと立ち上がりがうまい方じゃないので点を取ってくれた野手の方に感謝です」

 確かにそう。ガッチャマンが竜ナインを燃え上がらせるのか。それともただの偶然か。前回、山井が登板した8日ヤクルト戦で9安打7得点だった竜打線は、この日も10安打7得点と活発だった。これまで「投球が安定してきたら言います」と登場曲の理由をひた隠しにしていた山井は、この日の試合後も「夏まで待って下さい」と理由を明かすことはなかった。

 開幕前のオープン戦で7戦0勝5敗2分けだった本拠地ナゴヤドームだが、これで6連勝となった。勝率5割と息を吹き返し、2年ぶりの貯金も目前。谷繁兼任監督は「しっかり準備をして明日に備えたい。毎試合、毎試合、引き締めていきたい」と勝ってかぶとの緒を締めた。

 ♪誰だ、誰だ、誰だ~空のかなたに踊る影~。チームを勢いに乗せたのは紛れもなくガッチャマン山井だ。【桝井聡】

 ◆科学忍者隊ガッチャマン

 72年10月から74年9月、フジテレビ系で放送されたSFアニメ。世界征服をたくらむ秘密結社ギャラクターと戦う、5人の少年、少女で結成された科学忍者隊の活躍を描いた。戦闘時はヘルメットと鳥の羽をモチーフにしたマントをつけていた。