ソフトバンク中田賢一投手(31)が球界史上初の“快挙”に挑む。首位を走るチームは今日18日からロッテと敵地3連戦。中田は19日に先発する。勝てば移籍後初登板から4戦4勝。FA移籍1年目の投手としては過去にいない。3戦3勝で並んでいる08年西武の石井一久(ヤクルトから移籍)を上回る。

 「先のことは見ずに、1試合ずつ集中していく。まずチームが勝つことが大事。それで自分に勝ちがつけば一番いい」。チームは千葉に移動前、福岡で全体練習。中田はブルペンで約60球を投げた。目の前の試合で先発の役割を果たすことしか考えていない。

 ここまでの内容は満足していない。「イニングを重ねられていない。前回は先頭への四球で苦しんだ。それだけは避けたい」。5日楽天戦の8回途中が最長。前回12日のオリックス戦は1、5、6回と3度先頭打者に四球を与えて球数を増やしてしまった。課題は把握している。

 QVCマリンは中日だった昨年に2度登板しており、いずれも救援だった。先発は05年5月以来(当時の名称は千葉マリン)。その時は3回途中7失点KOを食らった。同球場9年ぶりの先発に向けて「風がどうなるか。縦変化の球は問題ないが、横変化が曲がりすぎるので気をつけたい」とイメージを描いている。

 1000投球回達成があと14回1/3に迫っている。今回勝てば3、4月の月間MVPの候補にも浮上しそうだ。他にもオリックス西らが有力だが、FA移籍1年目投手が最初の月に受賞すれば、こちらも史上初となる。【大池和幸】

 ◆過去の国内FA移籍1年目投手

 08年西武の石井は初登板から3戦3勝。4戦目は6回途中5失点で勝ち負けつかずだった。95年ダイエー工藤公康(西武から移籍)は開幕戦に4回途中8失点KOながら勝ち負けがつかず、2戦目から6連勝を記録。FA移籍1年目のシーズン最多勝は12勝で、95年ダイエー工藤、00年巨人工藤(ダイエーから移籍)、12年巨人杉内(ソフトバンクから移籍)がマークしている。