<オリックス7-5日本ハム>◇17日◇ほっともっと神戸

 ショッキングだった。日本ハムの「ON」が紡いできた不敗神話が崩れた。最大4点のリードから、どんでん返しされた。1回に中田翔内野手(24)が先制2ランを放ち、大谷翔平投手(19)が3回に右前適時打で追加点。理想的な展開へ持ち込んだ。先発中村ら投手陣の誤算で、3カード連続の勝ち越しが完全に視野に入ったが、暗転した。4回に伏兵・安達の3ランで1点差へ肉薄された。5回にペーニャの右翼ポール際への再度の3ランが致命傷になった。

 栗山監督

 もったいないというか、勝たないといけない試合だった。

 最高の出だしだった。中田と大谷の「アベック打点」は昨季から、この日で7試合目。チームは無傷の6連勝だったが、ストップした。中田は「マサル(中村)も一生懸命、投げてくれた。今日に限っては力負け」。潔く、援護射撃ができなかった自分を責めた。一発を放った主将の大引が放心するように、無言でバスへと引き上げたほど重い1敗。野手で8試合連続安打の大谷も「ひっくり返された後にまた打って、ひっくり返すくらいしたかった」と、全員で受け止めた。

 後ろ髪ひかれる、打ち合いでの敗戦。栗山監督は思い詰めるように、振り返った。「(中村を)勝たせてやりたかった。オレの思いが強すぎるのかな」。期待感いっぱいで送り出した5年目右腕を気遣った。中田と大谷、そして中村。今季のキーマンになると踏んでいる若手の誰1人も、ヒーローになれなかった。世代交代を図る今季。ジレンマを抜けた先に、本物の強みが出る。【高山通史】