<楽天12-0日本ハム>◇18日◇コボスタ宮城

 満塁で大暴れだ!

 楽天聖沢諒外野手(28)が日本ハム戦で2安打4打点。2回、3回、4回と3打席続けて満塁で迎えた。2回は凡退したが、3回、4回で適時打を放ち、大勝に貢献した。チームは連敗を2で止め、勝率5割に復帰。日本ハムに代わり、Aクラス3位に復帰した。

 打席で、聖沢は人知れず重圧を感じていた。1-0で迎えた3回2死満塁。「打てなかったら、相手ベンチに帰ろうと思ってました」。2回の無死満塁では、日本ハム吉川の初球真っすぐに遊ゴロに倒れていた。序盤の好機を、またつぶすわけにはいかない。カウント1-2と追い込まれたが、低めのカーブにうまく合わせた。中前に落とす2点打に「ホッとしましたね」と笑みがこぼれた。

 満塁で迎える打席は、三たび続いた。5-0の4回2死満塁の第3打席。矢貫の初球真っすぐを再び中前に運び、またも2点打とした。「今日の則本なら1点あれば十分。そんな投球でした」と言ったが、先発した後輩右腕を助ける4打点の活躍だった。

 試合の中で成長を感じさせた。2回も、4回も、同じ満塁で、同じ初球真っすぐを打った。しかし、結果は正反対。4回は、押し出し2つを含む四球が3つ続いた後に迎えた。だから「四球、四球と続いていた。相手投手はストライクが欲しいと考えました」と積極的に甘い球を振った。一方で、2回は高めのボール球に手を出し、バットを折られての遊ゴロだった。何が違ったのか。

 聖沢

 2回は、打ってやろうという気持ちから、心理状態を広く持てなかった。満塁では視野を広く持たないと、良い結果は出ない。(試合の中で)成長できました。

 失敗から学んだ。

 中堅のレギュラーを張るが「僕も結果を出さないと、代わりに良い選手がいる」とチーム内競争を刺激にしている。田代打撃コーチも「マキ(牧田)も良いし、後藤もいる。競争があると、チームは強くなる」と歓迎した。役者がそろう外野陣で、聖沢のバットが際だった。【古川真弥】