<楽天9-5日本ハム>◇19日◇コボスタ宮城

 楽天嶋基宏捕手(29)が、またもフルカウントで無類の勝負強さをみせた。6-4の5回2死二、三塁。日本ハム谷元の7球目、内に食い込むシュートをしぶとく中前にはじき返し2点を加えた。前の回に2点差まで詰め寄られていた。「どっちに転ぶか分からなかった。1本出して、優位に進めたかった」と、試合の流れをグッと引き寄せる効果的な一打を振り返った。

 今季はフルカウントで11打数8安打の打率7割2分7厘。驚異的な数字をたたき出すが、「あまり意識はしていません。投手の足元に打とうとしているだけ」と受け流す。5回の打席も「全部の球に反応しよう」と、フラットな気持ちだった。ただ、捕手らしい観察眼もあった。最後の1球の直前。「(谷元が)首を振ったので、勝負球が来ると思った」と、強気に攻める傾向が強い谷元の心中を察した。

 3回にも2点中前打を放ち、2安打4打点。4割近い打率で、恐怖の8番打者となっている。もっとも、捕手として「塩見に勝ちをつけてあげたかった」と序盤の失点を反省。「明日は、もっと気持ちよく勝てるようにしたい」と気を引き締めた。【古川真弥】